パーソナルファッションをAIが演出する!未来のファッションスタイル

パーソナルファッションをAIが演出する!未来のファッションスタイル

インターネットが一般家庭に普及したことで、場所や時間を選ばずECサイトで洋服を購入し、指定した場所に届けてもらえることが当たり前となりつつあります。楽天やYahoo!、ZOZOTOWNなどといったECサイトでは、実にさまざまなデザインの洋服を扱っています。このECサイトの取り扱うファッションと人工知能のAI技術がひとつになることで、ファッション業界全体に大きな衝撃が訪れると予想されているのです。

ファッション業界ではさまざまなアイディアを作り出し、実験を行っていますが、一体どのような取り組みを行っているのか、これから具体的に解説していきます。

AI(人工知能)がファッションコーディネーターに?

Amazonや楽天などでは、「レコメンド(レコメンデーション)」という、購入した商品やアンケート結果などから利用者の好みを分析し、おすすめの商品やサービスを紹介するという方法を採択しています。

これにとどまることなく、アメリカのカリフォルニア大学の研究チームは、さらに一歩進んだレコメンドシステムを開発し、注目を集めています。

現在利用されているレコメンドシステムでは、ひとつのネットワークだけを利用しアイテムを仕分けしていました。 しかし、カリフォルニア大学の開発したシステムでは、ひとつのアイテムに対して2つのネットワークを利用しAIに学習させ、利用者が欲しいと思いそうな商品イメージを構築し提供するようになっています。しかしながら、2次元の画像をどう3次元のものにするのかという問題がまだ解決していないため、実用には至っていません。

この問題を技術的にクリアすることができれば、利用者のニーズに合わせたファッションを提供することができるので、当然ながら顧客満足度が高くなり、ECサイトの利用者が増えることが期待できるでしょう。

アパレルECサイトでもAIの可能性~SENSYの可能性

ファッションを取り扱っているECサイトでは「SENSY(センシー)」という名前のAIが注目を集めています。SENSYは2014年にリリースされたファッション専用のAIで、利用者の趣向や好みのデータを得たうえでそれを分析し、個々にマッチしたコーディネートをイメージして提供することができるものです。

SENSYは2つの利用方法があり、ひとつは「ECサイトの利用者の接客」、もうひとつは「パーソナライズを利用したDM]というものがあります。EC接客は実店舗の店員が来客に行うように、接客業をSENSYが行うというもの。利用者の性別・年齢・肌の色・趣向・サイズといったものに対して接客を行うことが可能です。

パーソナライズを利用したDMは、集めたデータを元に利用者の好みやニーズを学習して、利用者が求めているであろう商品を提案することで購入率を上昇させるというものです。日本では2016年にベルーナやクルーズといった大手企業が導入しはじめています。

さらに同年には他社製品で購入した商品もコーディネート対象にすることができる「SENSY CLOSET(センシー・クローゼット)」がサービスを開始しており、日本国内でも導入しているECサイトが増えてきているようです。

アパレルECサイトでもAIの可能性~Amazonの取り組み

世界的規模でECサイトとしての強さのあるAmazonは、自社ブランドを展開しファッションやアパレル業界へ大きく前進しはじめてています。AIを使った戦略に強いAmazonは、顧客が多いため所有しているデータ量も多いので、ECサイトやファッションAIを率いる存在ともいうべきサイトでしょう。

Amazonは「GAN」というファッションデザイン用のAIのデータ元になっていますが、自社の持つデータとGANを用いてファッションデザイナーさえもAIでこなすことができないかと模索しており、Amazonの自社研究チームは、既にAIで洋服を作り出すところまで進んでいるといわれています。

選んだコーディネートが他者から魅力的である、おしゃれであると認識されるかどうかを判断できる学習機能も研究が進められています。Amazonはファッション業界へAIを用いて新たな挑戦を続けており、過去も未来もAmazonは人々の生活に大きな衝撃や変化を与える存在であり続けるのではないでしょうか。

AIとヒューマン~パーソナルファッションを人工知能が演出する!?

ファッションECサイトでは、利用者に対しコンシェルジュが商品の提案を行う「コンシェルジュサービス」を行う店舗が増えています。これは購入商品だけでなく、実際に利用者と会話することで趣向や好みなどをコンシェルジュ聞いて判断するもので、コンシェルジュのセンスも問われます。

AIの場合、集積したデータのみからの判断になることや他店で見つけた商品を利用者に紹介することができないため、このようなコンシェルジュサービスを利用する人が増えているのです。 しかし、ファッションAIのSENSYは、チャットから得た情報で一人ひとりの感性などを学習する機能も開発されており、レストランを紹介するといった形で利用されています。

このシステムがファッション業界でも取り入れられることになると、パーソナルファッションさえもAIが演出することになるのです。したがって、ファッション業界の未来は人間に変わってAIを利用した店舗が増えてくる可能性が指摘されるというわけです。

AIとECサイトが進化していけば、人間が関わる部分は少なくなり、商品の販売方法や購入方法も変わってきます。将来的にはファッション業界に関わるすべての人の意識改革にもつながっていくでしょう。

未来のファッションスタイルのまとめ

ECサイトの多くはAIを利用した販売戦略を行っていますが、AI自体は始まったばかりのテクノロジーです。これから未来に向け新たなシステムが研究・開発されることにより、ECサイトと共に成長していく技術であり、AIが進化していくことで、ECサイトを提供している側や、商品を購入している利用者にも大きな影響を与えていきます。

特にファッション業界では、パーソナルファッションまでAIが行うようになれば、業界にとって大きな変革になります。AIとユーザの間だけですべてが成り立つようになるかもしれません。
AIの将来性を含め、今後のECサイトの動向が注目されます。

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