アパレルEC業界が変わる!?Amazonのファッション戦略のメリット&デメリット

アパレルEC業界が変わる!?Amazonのファッション戦略のメリット&デメリット

近年、通販最大手のAmazonもファッションジャンルに力を入れてきています。アメリカやオーストラリアと同様に日本での通販シェアトップはAmazonで、アパレルに力を入れてきているとなると通販のアパレル業界全体に影響がでてくるでしょう。

Amazonが通販シェアのトップに君臨する理由としてユーザーの購買意欲を高めるセールやキャンペーン、販売システムや到着の早さにあることは皆さんもご存知だと思います。Amazonが今後、アパレル業界戦略をどう考えているのかを知っておきましょう。

アパレルでは後発!Amazonのファンションセール

近年のAmazonは季節に応じてファッションセールを行っています。ファッションジャンルのセール以外は割と定価で販売されていることが多いのですが、セール期間中はかなりの割引を行っており、他サイトが太刀打ちが難しいほどの価格を打ち出してくるのです。例えば2017年では夏に最大80%オフセールを行い、本来数万円の商品が1万円を切るという状況になっています。

Amazonはまだまだファッション業界に関しての参入も遅く、売上もファッションブランドを追い抜くというほどではありません。しかし、他のジャンルも含めて顧客の商品興味や購入に関してのビッグデータをもっており、このデータ量はアパレルブランドでもかないません。

まだ各ブランドショップのファンはAmazonに多くうつっているわけではありませんが、もともとAmazonファンの固定顧客がファッションセールを知り、そこから今後口コミで広まっていくことを覚悟しておかなくてはいけないのです。

プライム ワードローブは画期的!?

まだ2018年4月現在ではアメリカの一部プライム会員に招待しているのみで日本での開始は現在のところ未定ですが、プライム ワードローブという興味深いサービスを行っています。

プライム ワードローブとは複数の商品を先に受け取り、その中から購入するものを選ぶという方法です。 ファッションカテゴリーの商品から、ブランドにかかわらず興味があるもの自由に選択し、「ワードローブボックス」とボックスにすべて詰められて到着します。その後1週間試着して、気に入らないものをワードローブボックスに入れて返送し、残したもののみを購入するという「試着のシステム」がプライム ワードローブの流れです。

アパレル業界は試着が重要で、事前に試着できない通販では購入しても気に入らなかったら返品するということも多いのですが、返品を前提に販売システムに組み入れている形となります。もしも日本でもこのプライムワードローブが始まったならば、アパレルECサイト、特に試着できず実際のイメージをつかみづらいショップへの影響は大きいと考えられます。

同じサービスを行うのは難しいかもしれませんが、インスタなどのビジュアルで事前に着たときをイメージできる宣伝方法で対抗するなどの準備が必要になるでしょう。

やはりAmazon!セールが強力

Amazonはファッションセール以外でもさまざまなセールを行っており、特にタイムセールはかなり強力です。時間限定で割引になるというセールで、数量限定やプライム会員先行などの種類があり50%近くの割引になることもあります。

またAmazonのメリットとは配送の早さやプライム会員の配送料無料などのサービスの他、最安価の商品がわかりやすい、ピンポイントの検索ができるなどシステム面もしっかりとしたサイト構成などが理由です。

しかしAmazonにもデメリットはあり、商品画像の少なさやポイントアップキャンペーンが少ないというのがあります。こうしたデメリットを知っておくと、Amazon以外のアパレルサイトの対抗策も考えることができます。例えばポイントの点でいうとポイントアップでAmazonのセールに近いほどの付与を行えますし、他社ポイントと提携することでそのポイント利用者を呼び込むことができます。また、商品画像はとても重要なファッションジャンルですので、画像種類の豊富さやイメージビジュアルなどで勝負することができるでしょう。

まず購入!試着の概念が覆るAmazonのファッションセールス

先程のデメリットとしてあげた商品画像の少なさはプライム ワードローブで補っていくと考えられますが、こうしたAmazonの戦略はアパレル業界の販売方法が変わるきっかけになるかもしれません。プライム ワードローブだけでなく、現在AIスピーカーでの購入を進めたり、アメリカではドローンの配達も開始したり、Amazonは常に先進のサービスを繰り出してきます。

これからのECサイトは、ただ「販売システムとメールや電話のサポートを用意する」というだけでは生き残るのが難しい時代がやってくると考えられます。現在の通販システムの常識にとらわれず柔軟な対応を行うことが今後のアパレル業界の戦略で必要です。

Amazonにはないシステムの例として、ZOZOTOWNのツケ払いやドゥクラッセのコールセンターオペレーターによる電話越しの試着などがあります。
インスタでの直接販売が可能となったら参入するというSNSを利用した販売経路など、アイディア次第でさまざまな対抗策をつくることは可能です。

Amazonのファッション戦略のメリット&デメリットまとめ

日本最大手のAmazonの売上が下がっていくことは考えにくいので、もう既にAmazonに顧客をとられはじめているという危機感を抱いて経営戦略を考える必要があります。

これからはネット販売商品の受け取りを実店舗やコンビニでできるようになり、次第にオムニチャネルも広がると推測されます。そういう点でも、ネットと実店舗を融合させ配送日数の短縮や在庫のコスト削減といったロジスティクスが重要です。各企業との提携なども必要になる場面もあり、簡単にはいかないかもしれませんが、本当にユーザーにとって便利なことはなにかを企業全体で考えていきましょう。

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