アジアのECサイトが熱い!データから見る日本のECサイトとの違い

アジアのECサイトが熱い!データから見る日本のECサイトとの違い

日本人なら買い物には日本国内のECサイトを利用することだと思います。もちろん海外のECサイトも利用できますが、国外となるとセキュリティの問題、言語の問題、支払いの問題などどうしてもハードルが高く感じられてしまうのです。一方でアジア各国を見てみるとどうでしょうか。

台湾を例にとると、なんと日本のECサイトを利用する人が台湾国内のECサイトを利用するよりも多いそうです。アジア各国も国の垣根を越えて、ECサイトが熱くなっているようです。ここでは、加熱する国外ECサイトについて考察しています。

アジア圏はECモールの激戦地区

トランス・コスモスは、アジアの主要都市において、ECサイトの利用実態の調査を目的として「アジア10都市オンラインショッピング利用動向調査2018」を実施し、そのデータを公開しています。アジアの主要都市は、東京を含むアジア10都市(東京、上海、台北、ムンバイ、ジャカルタ、クアラルンプール、バンコク、シンガポール、マニラ、ハノイ)です。調査は、10代から40代のECサイト利用者3200人を対象に実施しています。

各都市で消費行動や購入意識の違いがありながらも、共通しているのは、各都市のトップ3には必ず国内の有力ECサイトがランクインしていることです。そうなるとどこも国内ECサイト重視かというとそうでもなく、同じように各都市のトップ3には、米国のECサイトがランクインしているのです。特に東京、上海以外のアジアの8都市ではトップ3にFacebookがランクインしているのが注目されます。アジアの各都市が東京、上海に比べてソーシャルメディアやチャットの活用により積極的と見ていいでしょう。

何故アジア各国では国外ECサイトを使うのか

東京では、国外のECサイト利用は52%となっています。感覚的には「多い」というイメージかもしれません。しかし、東京以外のアジアの各都市に目を向けて見ると、上海を初めとして、国外のECサイト利用は概ね80%前後となっているのです。ムンバイに至っては90%となっています。何故アジアの各都市は国外ECサイトを使うのでしょうか。

考えられるのは国内ECサイトの商品に魅力がない…と短絡的に考えがちです。それは、東京のファッションシーンが現在では世界をリードしているという考え方と、先ほどの国外ECサイト利用が52%というデータにも表れているのです。そういったことから、国内では手に入らない物…というのは、必ずしも国内のECサイトが発展していないからではなく、旺盛な海外ブランドへの好奇心や購買欲があるのは間違いありません。それはまさにこれから発展していく、アジア各都市の熱気として捉えてもいいでしょう。

購入したい国はどこ?国別ECサイトランキング

どの都市も国外ECサイトが上位にランクインしています。その傾向と解析してみると、どの都市も、国外オンラインショッピングサイトのランキングでは米国がトップ3以内にランクインしているのです。東京では米国がトップ1ですが、これはAmazonが大いに貢献しているのは間違いないでしょう。東京、上海、マニラ、ムンバイ、台北といったアジア5都市で米国がトップ1になっているのです。これは、世界一の市場である米国のECサイトに大きな魅力を感じている現れと考えていいでしょう。

その他では日本や中国が各都市でトップ3にランクインしているのが目を引きます。それは、アジアにおける中国や日本の影響力を如実に表していると思っていいと思います。日本のECサイトを選んだ理由として、「安心・安全・品質・性能」をあげた人がもっとも多く、それ以上に人気となった中国のECサイトでは、コストパフォーマンスをあげる声がもっとも多い結果となりました。

日本とアジアのECサイトの違い

トランス・コスモスの調査結果による各種データから推察できることは、東京を除く、アジア各都市の回答者は国内で手に入れることのできない商品を積極的に海外のECサイトに求めていることがあげられます。それはアジア各都市が、海外の新しいサービスや取り組みに対して抵抗感が少ないこと、新しいことに対しての好奇心が強いこと、さらに旺盛な購買力というのがあげられます。

東京にはアジア各都市と比べて、熱意がないと思われがちです。確かに、東京では海外のECサイトに求めなくても、国内のECサイトでも事足りる、満足できるという利用実態はトランス・コスモスの調査結果を見ても明らかです。それはまた、アジアの各都市が国外ECサイトの利用を日本のECサイトに求めていることからも分かるところです。日本の商品に対してポジティブなイメージがとても強いこともあげられるでしょう。また、アジア各都市に言えることは、ソーシャルメディアの利用率がとても高いことです。Facebookの利用やチャットをフルに活用して情報収集している実態が垣間みえます。

まとめ

東京とアジア9都市との一番の違いは、国外ECサイトの利用率です。東京が約50%だったのと比較して、他のアジア9都市は80%前後となっています。東京では国内需要の高さから、越境型のECサイトが成長してこなかった点があげられます。Amazonが検討していますが、却って国内需要を掘り下げている現状もあります。国内で何でも手に入る流通の質の高さもあげられます。

しかし、トランス・コスモスのデータを見るにつけ、アジア各都市のデータを参考にしながら、日本も国外ECサイトとして進出するべきときに来ているのではないでしょうか。既にイメージづけられている、日本製の「安心・安全・品質・性能」といった点を研ぎ澄ませることで、十分に活路を見つけることができるでしょう。

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