英語と日本語でデザインが異なる!その違いとバックグラウンドをみる

英語と日本語でデザインが異なる!その違いとバックグラウンドをみる

欧米と日本では商品の購買意欲を掻き立てる要素が大きく異なります。そのため、同じ商品であっても、売り方や扱い方に相違が発生します。例えば、日本では食品の販売にあたり、過剰な包装をすることで安全性を強調するのに対し、欧米では商品の新鮮さを強調するために、あえて包装をしないということもありますが、このことには日本と欧米における価値観の違いが大きく関係しています。

また、このような価値観の違いはデザインにも大きく現れ、そこには英語と日本語という言語の違いも大きな影響を与えています。ここでは、欧米と日本におけるデザインの違いをECサイトの場合に置き換えると同時に、言語の違いという観点からも解説していきたいと思います。

ユニクロで比べてみる欧米と日本のデザインの違い

ユニクロは日本で設立された企業でありながら、欧米諸国への進出も積極的に行っていることから、国ごとにサイトデザインが異なっており、当記事のテーマに対してよいサンプルとなります。ここではユニクロの北米ECサイトと日本のECサイトを比較してみたいと思います。

ユニクロの北米ECサイトで特徴的なのは文字が少ないという点です。そのため、ページの多くを写真が占めており、商品ごとのカラーのバリエーションなども文字ではなくアイコンによって表示がされています。このことによりサイト全体からはシンプルな印象を受けやすくなり、全体的に洗練された印象も感じられます。

一方で日本のユニクロのECサイトは北米のサイトと同様に写真が多い反面、文字が多く、商品の特徴なども事細かに紹介がされています。そのため、北米のサイトと比較するとシンプルさは半減している一方で、商品の詳細が分かりやすいという特徴があります。

言語と文字、カルチャーの違いは大きい!ファーストビューに何を求めているのか

北米と日本におけるユニクロのECサイトのデザインの違いからも分かる通り、北米をはじめとした欧米諸国と日本においてはデザインに関して重視されるポイントが大きく異なります。その根本的な要因としては、言語、文字、カルチャーなどの要素によって構成される情報の取り扱い方が欧米と日本で大きく異なるということが挙げられます。

このような欧米と日本における情報の取り扱い方の違いについて考える際には、欧米と日本におけるファーストビューに求めるものの違いについて考えてみると分かりやすくなります。

例えば、欧米では物事を判断する際に視覚によって得られる情報を重視する傾向にあることから、デザインにおいては写真やアイコンが重要となり、サイト内のファーストビューとして目につきやすい箇所に写真やアイコンを配置することが多くなります。

一方で日本の場合は文字によって伝えられる正確な情報を重視する傾向が強く、サイトのデザインにおいては写真だけでなく文章情報もファーストビューとして目につきやすい箇所に多く配置される傾向があります。

このようなファーストビューにおいて重視するものの違いは、言語やカルチャー、さらには自然環境などの違いが大きく関係していると考えられることから、その違いは各々の国の人々の潜在的な部分から生じているといえます。

カラーの意味が違う!日本と欧米の色のとらえ方

一方でサイトのデザインにおいては、色が閲覧者に与える印象についても考慮しなければなりません。続いては日本と欧米における色のとらえ方の違いについて考えてみましょう。

欧米と日本において印象が大きく異なる色の中でも特に代表的なものが紫色です。紫色はファーストビューとしてのインパクトが強いことから、日本人に比べて感覚的に物事をとらえる傾向が強い欧米人にとっては印象に残りやすいという点で大きなメリットがあり、ECサイトにおいては商品の写真の背景色に使用されることも少なくありません。

一方で日本人にとって紫色はインパクトが強すぎるだけでなく、どこか暗いイメージを持ちやすく、ファーストビューで与える印象も決してポジティブなものではありません。そのため、商品の写真の背景色などに使用してしまうと、それだけで印象が悪くなるだけでなく、商品の細部が見づらいといった印象までも持たれてしまうかもしれません。

このような色に対する印象は欧米と日本で大きく異なることから、そのこともまたサイトのデザインにおいて重視する必要があります。

デザインの目的とフォーカスが違う

欧米と日本におけるデザインの違いについて考える際には、より広義的な欧米人と日本人の感覚の違いをもとに、デザインの目的とフォーカスの違いについて考えてみる必要があります。

例えば、欧米人はおおまかにいって、表面より機能や中身を重視する傾向があるといわれています。そのため、ECサイトの構造においてはデザイン(=表面)よりも、サイトを閲覧することによって分かる商品に関する情報(=中身)が重視される傾向があるといえます。

それに対して日本人は、外見をより重視する傾向があるといわれているため、ECサイトの構造においてもデザイン性よりも文字情報を重視するようになり、ファーストビューにおいてもより情報が多いものを選ぶ傾向があります。そのために全体として情報過多になりやすいという面もあるといえます。

このように欧米と日本におけるデザインの違いは、双方の人々の感覚や重視するポイントの違いが大きく関係していると考えられます。

英語と日本語でデザインが異なる!その違いとバックグラウンドのまとめ

欧米と日本では、そもそもの感覚の違いが原因となり、デザインに求められるものにも大きな違いが生じています。そのため、ECサイトにおいては、その地域ならではの感覚の違いを把握し、デザインを構築することが大切となります。

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