必見!ファッションマーケティングに必要なポイントは?

必見!ファッションマーケティングに必要なポイントは?

ファッションマーケティングには「仕掛け人」とも呼べる存在がいますが、トレンドはどのように作られているのかご存知でしょうか。ファッションデザインは繰り返させるといわれていますが、過去の蓄積データからファッションマーケティングの仕掛け人がどのように最新のトレンドを作っていくのかということは意外に知られていません。今回は最新ファッションのトレンドマーケティングに必要なポイントについて段階を追って解説していきます。

ファッショントレンドはどのようにしてつくられるのか

毎年季節の変わり目にファッション誌や新聞などで「今季のトレンド」という言葉が紙面をにぎわせます。この発言元はそれぞれの媒体の編集部で、直接ファッション業界にかかわっている人物や組織の発言ではないのです。
なぜ編集者がトレンド発信を行うのかというと、読者の購入意欲を刺激する魅力的な誌面を作ることが目的のためです。そのために記事を作成している編集者独自の意見などでその季節のトレンドを取り上げ、読者の興味を引く記事を作ります。ファッションブランド側は商品を宣伝するために「広告費」を出すことで各メディアでは商品を紹介してもらい、商品を広く知ってもらい売上を伸ばすのです。

ファッション業界では「季節ごとのトレンド」や「流行」を創り出すことで、その中から外れたものを「時代遅れ」という印象付けをすることで、消費者に新しい商品を購入するよう促しています。ファッションだけでなくほとんどの業界で新しい商品を購入してもらうためには、それなりの「理由」が必要なために「トレンド」が作られるのですが、ファッションのトレンドは「カラー」をベースに作られています。

毎年のトレンドのカラーは約一年半前には決まっていて、「国際流行色委員会」という国際組織で決めるのです。発表されたカラーを元に各生地メーカーが作成した生地を見本市で発表、アパレルメーカーなどがその生地を元にその季節のテーマを決めて商品の制作を行います。完成した商品はパリコレやミラコレなどで発表され、展示館やセールス期間といったものを経て約半年後に店頭にその季節のトレンドとして並びます。

最新のトレンドをどのように解釈するのか~マーケティングのファーストステップ

メディアの編集部やメーカー・ブランドなどが作り上げたトレンドに対し、ファッションマーケティング専門家の間では、「これまでのデータの分析が必要」と考えているようです。そして過去のデータを分析しつつも「リアルタイムな分析」が重要なポイントといわれています。

リアルタイムな分析とは、消費者の日常行動やお出掛けポイントなどを把握し情報を得ることで収集が可能ですが、個人情報やセキュリティの問題があってまだ実現されていない部分が多いという現状があります。

さらに得意顧客かどうかということを問わずに消費者一人ひとりが異なる価格と条件でファッションアイテムを購入できるサービスや製品が増えると予測しているのです。これはなぜかというと、スマートフォンやPCが一般家庭に広まったことでネット通販を利用することができるという背景があります。通販サイトにアクセスすれば、その人に対するおすすめ商品やリアルタイムの特価情報を伝えることができるためということです。

過去のデータは必要なのか?データ分析だけではマーケティングは進まない

ファッションマーケティングで本当に「過去のデータの分析」は必要なことなのかと、疑問に思う人も多いようです。マーケティングを専門にしている人の中には、「過去」という後ろ向きなものはいらないと考えている人も存在します。今までのファッションのトレンドは過去に流行したデザインやファッションを蓄積したデータを分析し、過去にトレンドになったものをベースにする手法で最新のトレンドが作られてきたのです。

しかしこれらの蓄積されたデータで過去を分析するには、時間など多くの労力がかかります。そのため最近では「バックキャスト」という、自分で未来のある年に目標を設定し、今その目標を成功させるためにやるべきことを考えるという手法を利用している企業もあります。

マーケティングはデータ分析で流行りを予測し追うものではなく、市場調査も行わず自分たちが作り上げたものが消費者にとってどんな価値があるのかを考え、提示していくことだというのです。

今現在のファッションマーケティングや消費者の動向を「観察」し、「自分で仮説を立て行動に移す」、そして自分と異なる価値観の人に「相談」し、「関連付け」を行うことで過去のデータの予測を元にするよりも確かなものになる可能性が高いのです。

デジタル時代に合ったマーケティングとそのポイントは

PCやスマホ、インターネットなどデジタル文化が発達した現代では、ファッションマーケティングもデジタルにあった方法で行う必要があります。企業が自身のメディアを持つ「オウンドメディア」が進化し増え、ファッションブランドの情報を独自で収集し編集する「コンテンツ」と「コマース」機能を駆使したECサイトが重要な役割を果たしています。さらにブランドサイトとECサイトを統合することで、ブランディングと販促をひとつのサイトで行うことができます。

ただしオウンドメディアは構築すればよいというものではなく、構築後に消費者のニーズに合わせたコンテンツの作成が必要になるため、制作にかかわる編集者やスタイリスト・カメラマンといったファッションにかかわりの深いクリエイターもデジタル化していく必要があるのです。

しかしデジタルマーケティングは最新のツールなどに気を取られていると制作コストが高いわりに費用を出しにくくなることが多いため、動画制作など目的に応じた使い分けが重要なポイントになってくるのです。
また当然のことですが、ブランディングも必要不可欠なもので、自社製品に興味を持ってもらうという視点で取り組まなければなりません。専門店や小売店であれば自身のショップやブランドにはどんな価値があるのかということを消費者に的確に伝える必要があります。

そして一番大切なのが、社内体制と人員配置です。マーケティングの知識があり社内でも調整力のある中堅の社員やリーダーを責任者にし、若手や外部のアウトソーシングを上手く利用していくことがデジタルマーケティング成功のポイントとなります。

まとめ

ファッショントレンドをどのような形で生きたマーケティングにし、どのように活用していくのかは今後の課題ともいえるでしょう。消費者がいなければマーケティングも成立しないため、消費者のニーズに合わせた商品の制作やサービス提供をベースに考えるマーケティングの基本は変わることはありません。しかし時代の移り変わりでマーケティング手法は変わっていくため、その時にあったマーケティング手法を賢く選んでファッションマーケティングを行っていくことが大切です。

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