Google アナリティクスの新機能「ユーザーリスト」とは

Google アナリティクスの新機能「ユーザーリスト」とは

特にEC業界をはじめとしたサイトへのアクセス数とアクセスしたユーザーの行動が利益へと直結する業界では、サイト内におけるユーザーの行動の傾向などを調査し、それをサイトデザインや宣伝手法などにおいて活用する必要があります。Google アナリティクス(以下GA)は、それらを行う上で有効なツールのひとつであり、多くのサイトが導入しています。

このGAに搭載された機能のうち「ユーザーリスト」は、サイトへのアクセスやサイト内でのユーザーの行動の傾向を明確にすることをさらに簡単にするために開発された新たな機能のひとつです。ここでは、このユーザーリストの詳細とそれを活用したマーケティング方法について解説します。

Google アナリティクス「ユーザーリスト」の概略

GAにて2017年10月に提供が開始された新機能であるユーザーリストは、GA内にてあらかじめインポートされたユーザーリストを利用することで、そのリストに登録されたユーザーに限定したアクセス状況やサイト内での行動を明確化することができる機能です。

この機能を利用することによって、例えば、特定のユーザーがどのサイトを経由してアクセスをしてきたかといったことや、サイト内の特定のページだけでの滞在時間などが分かるようになります。このことにより、従来は不特定多数を対象としたマーケティングしか行えなかったGAは、任意のユーザーのみを対象としたマーケティングも行えるようになり、より汎用性が高くなりました。

また、ユーザーリストの機能は明確なリストをインポートしなくても同等の条件を設定したセグメントがあれば同じような内容を把握できる仕組みとなっていることから、マーケティングする対象が不明瞭であっても活用することができるという特徴もあります。

ECでは新規と既存を分けて考える

マーケティングの中でもECサイトのユーザーを対象としたマーケティングは、この業界の特性に適した手法のもと行う必要があります。特にECサイトのユーザーは「初回購入」と「2回目以降の購入」のどちらに該当するのかによってその性質は大きく異なるため、マーケティングにおいても分けて考えなければなりません。

例えば初回購入の場合、そのユーザーはそれまでそのサイトを知らず、メールなどによる施策の対象でもなかったことから、そのユーザーがサイトを知るきっかけとなった施策には大きな集客効果があることが考えられます。マーケティングによってその施策が分かれば、特に経費をかける施策を決めることなどができ、効率的に集客を行うことも可能となるわけです。

また、2回目以降の購入の場合、そのユーザーがサイトを再訪した理由をマーケティングによって明確にできれば、より高い効果がある施策を再確認することができます。初回購入を対象としたマーケティングの結果と併せることによって、より具体性のある結果から施策方法を決定することなどが可能となります。

ユーザーリストの作成方法

GAにてユーザーリストの機能を利用するためには、GAとGoogle AdWords(以下GAW)の紐づけ設定を行い、以下の手順からユーザーリストを作成します。

  • GAの「管理」タブから対象のプロパティを選択し、「ユーザーリスト設定」内の「ユーザーリスト」から新しいユーザーリスト作成のボタンをクリックします。
  • 任意のユーザーリストを作成します。また、ここでは作成済みのセグメントのインポート、もしくはGoogleが推奨する既存のユーザーリストを選択することなども可能です。
  • ユーザーリストを作成する場合は、続いて「ユーザー属性」「テクノロジー」「行動」「最初のセッションの日付」「トラフィック」「条件」「シーケンス」の各項目を指定します。

以上の手順を踏み、最終的にGAへのインポートを行えばユーザーリストの機能を利用したマーケティングが行えるようになります。

リマーケティングとユーザーリスト

特にリスティング広告などを運用しているEC業者の場合、広告を表示する対象は過去に自社サイトへ訪れたユーザーを対象としたマーケティングの結果を反映させるとより高い集客効果が期待できます。しかし、そのためには過去に自社サイトへ訪れたユーザーを対象とする「リマーケティング」を行うためのシステムが構築されていなければなりません。

上述したGAとGAWを併用したマーケティングは、このようなリマーケティングにおいても応用することも可能です。例えば過去にサイトへ訪問したことがあるユーザーのみを対象としたリマーケティングリストを作成し、それをリマーケティングで活用できれば、上述したリスティング広告の表示対象を決定する際などにも活用することができます。

ただし、このリマーケティングを行う際にルックバック機能を利用すれば自動的にリマーケティングリストが作成されると解釈される方も少なくありませんが、実際にはそのような機能は搭載されていないため、リマーケティングリストはユーザーリストと同様の方法で作成しなければなりません。

まとめ

新たに提供が開始されたGAのユーザーリスト機能は汎用性が非常に高く、うまく活用すればリピーターなどの動向をより詳しく検証することが可能です。そのため、より精度の高いマーケティングを行うためには、このユーザーリスト機能を有効活用する方法を心得ておく必要があります。

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