HubSpotが日本のマーケティングを変える?米国発のMA最新情報

HubSpotが日本のマーケティングを変える?米国発のMA最新情報

現在、世界で見られるマーケティング手法のなかで「インバウンドマーケティング」が注目を集めています。そしてこの新たなマーケティング手法の先駆けとなったMAツールが米国発の「HubSpot(ハブスポット)」です。
この記事ではHubSpotの特徴やメリット、さらに今なぜインバウンドマーケティングがこれほど注目を浴びているかについて詳しくご説明していきます。

今、注目のHubSpot「ハブスポット」とは?

HubSpot(ハブスポット)はマーケティング専用のソフトウェア会社で2006年にボストンで創業されました。同社が開発したマーケテイングオートメーションツール(MAツール)であるHubSpotは従来のマーケティング手法を大きく覆すものとして注目を集め、現在世界95ヵ国、18000社を超える企業がこのツールを採用しています。

HubSpotにはWEBサイトのアクセス解析、コンテンツ管理、SNS対策、SEO対策、Eメール配信など、マーケティングに関わる重要な機能が網羅されており、ITの専門家がいなくてもガイドラインに沿って簡単に導入できる点が大きな特徴です。また、主要なCRMとの連携も可能なのでマーケティングのみならず顧客管理も一緒に行うことができます。

2016年にはHubSpotの日本法人が設立されました。これによりHubSpotを導入する日本の企業も増えてきており、今後さらにその広がりを見せる可能性があります。

ユーザーを引き込むインバウンドマーケティング

米国発のHubSpotは既存のマーケティング手法を覆し、「インバウンドマーケティング」という全く新しいマーケティング手法を生み出しました。

インバウンドマーケティングとは、サイト、ブログ、SNS、ニュースリリース、動画などで自社のコンテンツを発信し、ユーザーに見つけてもらい関心を持ってもらうマーケティング手法のことをいいます。

従来の手法はダイレクトメールやマス広告など企業が一方的にユーザーに商品を押し付ける「アウトバウンドマーケティング」が用いられてきましたが、ネットやSNSの発達によってそのような押し付け型の宣伝はユーザーから嫌われるようになってきています。これに対しインバウンドマーケティングは、ユーザーが自発的な検索やSNSを通して「コンテンツを見つける」という形を取ります。つまり一方的な押し付け(外からの押し付け=アウトバウンド)ではなく、ユーザーのほうから自社のコンテンツにやってきてくれる(内に入ってきてくれる=インバウンド)という形になります。

こうして向こうからやってきてくれるユーザー、自社のコンテンツを見つけてくれるユーザーを増やし、最終的に自社の商品やサービスを購入してもらう割合を増やしていくのがインバウンドマーケティングです。

ハブスポットのメリット・デメリット

HubSpotのメリットとデメリットを見ていきましょう。

HubSpotはまず料金プランが安いというメリットがあります。他社のMAツールだと安くても月額10万前後、スタンダードだと月額20万前後が普通です。これに対しHupSpotは最低価格プランで月額6,000円、プロフェッショナルプランで月額96,000円となっています。この低価格提供を実現しているために大企業だけでなく小企業であっても導入しやすいというのがうれしい点です。

もうひとつ注目したいのがHubSpotではSFA/CRMが無償で提供されるという点です。他のMAツールの場合、有料の「Sales Cloud」などの利用が想定されており別途でコストがかかります。HupSpotはSFA/CRMの機能が無償で使えるので、SFA/CRMをまだ導入していない中小の企業にとっては魅力的ですし、既に導入している企業であればSFA/CRMのコスト削減につなげることができます。

デメリットとしては、「国内利用の事例」が少ないために自社で活用できるかどうかの判断がしづらいという面があります。また、HubSpotはインバウンドマーケティングに重点を置いたツールであるため、見込み客の獲得(リードジェネレーション)には強さを発揮するものの、獲得した見込み客を育成する機能および効果は薄いという点がデメリットとして挙げられます。

見込み客の育成という点を考えればHubSpotではもの足りず、他のツールを使ったほうがよいと判断されることもあるでしょう。

消費者に支持されるインバウンドマーケティング

ネットが発達した現代、ユーザーは自分が欲しいものや目当てとしている情報を「自分で探し、自分で見つける」のが当たり前になってきています。その点を踏まえるとインバウンドマーケティングほど時代にマッチしたマーケティング手法のないといえるかもしれません。

インバウンドではユーザーに対し、探していたコンテンツを見つけたときの喜びや体験(カスタマーエクスペリエンス)を与えることができます。この「顧客体験」が強ければ強いほど多くのユーザーを惹きつけ、同時に顧客の長期的な獲得と購買促進につなげていくことが可能となります。この顧客体験や満足度、話題性はSNSの連携によってさらに広がりを見せ、見込み客の拡大につなげていくこともできるでしょう。

実際にHubSpotを導入して成功を収めた国内事例をいくつかご紹介します。

・東洋ビジネスエンジニアリング

東洋ビジネスエンジニアリングではHubSpotを導入後、Webサイトをリードジェネレーションのプラットフォームに変えたことによりリード獲得率が400%まで跳ね上がったといわれています。これはマーケティング手法を根本から変えてインバウンドマーケティングに移行したことにより成功を収めたひとつの事例です。

・東急リゾート

東急リゾートはリゾート物件売買を柱とする企業で、成約を見据えたインバウンドマーケティングのためにHubSpotを導入しました。結果的にオウンドメディア経由の物件来場者数が2.5倍に増えたようです。

・株式会社プロコミット

株式会社プロコミットではHubSpotの導入とインバウンドマーケティング視点でのWEBサイトの大幅にリニューアルを実施した結果、問い合わせ件数や商談件数が3ヵ月で200%アップしたといわれています。

まとめ

時代にマッチしたインバウンドマーケティングの影響力は年々増加傾向にあります。企業にとっては無理な営業や押し付け型の広告・勧誘を控えることによってコストを削減できるというメリットもあります。
ユーザーが向こうからやってきてくれるわけですから、ユーザーの購買意欲を上手く刺激するようなコンテンツ作りさえできればコンバージョン率を大幅に上昇させることは十分に可能でしょう。
インバウンドマーケティングは世界のマーケティングのあり方をさらに大きく変化させていく可能性もあり、今後の進展にも注目しておきたいところです。

 

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