「インスタ映え」の次は「ストーリージェニック」?心を掴むマーケティング術

「インスタ映え」の次は「ストーリージェニック」?心を掴むマーケティング術

「インスタ映え」というワードがブームを起こし、風景や食事などでもフォトジェニックな写真が好まれるようになっています。特に、スイーツはカラフルで食べるのが勿体ないようなものも、数多く存在します。しかし、最近では、インスタ映えから「ストーリージェニック」へと興味が移り変わっているようです。インスタ映えのブームに代わって、ストーリージェニックにシフトしている様子について見ていきましょう。

すでにインスタ映えに飽きはじめている?

2017年、インスタ映えというワードが急上昇し、それに伴っておしゃれな写真をアップする傾向にありました。ですが、そのインスタ映えに飽きはじめている風潮もあるのです。

たとえば、白米の上におかずを乗せるだけのシンプルな「地味メシ」や「NOインスタ映え」などと言ったワードが出回っています。これらのワードを見ると、インスタ映えに疲れた、あるいはインスタ映えはそこだけ充実しているのを周りに見せるための手段という捉え方になってもいるようです。

したがって、周りに合わせて、フォトジェニックな写真ばかりを載せることに対し、疑問を持ちはじめている若者も少なくありません。美しい写真を載せ、周囲から良い評価をもらうことが目的になり、「一体自分は何をしたいのだろう」と考える人もいます。本来であれば、その場を楽しむはずが、その場で写真を撮影することが目的と化してしまっていることも珍しくありません。綺麗な写真を撮るためにカフェや食事に行くよりも、美味しく楽しく食べる方が良いと思っている人もいるのです。

フォトジェニックからストーリージェニックへ

地味メシやNOインスタ映えの急上昇ワードに加えて「ストーリージェニック」というワードを耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。インスタ映えに飽きた人や、疑問を持った人は、このストーリージェニックというものに考え方をシフトしていっています。

フォトジェニックの反対にあるのがストーリージェニックというわけではなく、ただ美しい写真から、写真の背景にあるストーリーという付加価値を付けることで、フォトジェニックより差別化を図っています。たとえば、絶景だとふれこまれている民宿や旅館よりも、著名人が創作活動を行った民宿や旅館の方が、ストーリーや背景があって付加価値が付くということです。

綺麗だけではなく、それ以上の何かを求めるようになってきたのです。フォトジェニックからストーリージェニックへ、美しい以外の何かでそのもの自体を拡張させるものへ進化してきたともいえるでしょう。

インスタグラムの新機能、ストーリーの背景

インスタグラムの中に、新しい機能としてストーリーズというものが実装されました。これは、投稿した写真や動画が24時間経つと自動で消えるという機能です。

もともと、インスタグラムではフォトジェニックな写真や動画をいつまでも残すことができますが、ストーリーズでは自動的に消えるため、フォトジェニックなものでなくても、日常に撮影された写真や動画を気軽に投稿できるというわけです。

投稿される日常から、ストーリーの背景を追いかけるのは、まさにフォトジェニックではなくストーリージェニックの典型だといえるでしょう。インスタグラムにしても、すでに人々の価値観は変わってきているのかもしれません。

また、この機能を使って、自身の営業として利用する人もいます。たとえば、24時間で消えることを逆手に取り、その日限りのライブイベントを告知するときにも活用されるようになっているのです。ストーリーズは自動で投稿が消えるため、終わったイベントを削除する必要もありません。

F1層の心に響くマーケティング

年齢によって、女性の中でもマーケティングの方法は異なってきます。10代であればフォトジェニックなパッケージというだけで評価されることもありますが、20代、30代と歳を重ねるごとに、パッケージだけでは心に響かなくなっているという傾向があるのです。

さらに、付加価値を付け、その存在がどういったものか、なぜそれがいいのかという納得する理由付けが必要になってきます。見た目だけではなく、中身が重視されるようになったということです。

これらの理由から、F1層はフォトジェニックよりも、背景を重視するストーリージェニックにシフトしていると言えるでしょう。ここで、F1層の心に響くようなマーケティングを行う場合には、その付加価値としての情報を提示する必要があります。

たとえば、「美しい海」というパッケージよりも「著名人の〇〇が感動して、それに感化されて△△の小説を執筆した海」という方が、その背景に付加価値が付き、実際に現地に赴いて同じような感動体験をしたいと考えます。どちらも美しい海には変わりないですが、その付加価値によってさらに行ってみたいと感じたり、そこへ赴くことに意義を見出したりする人もいるのです。

心を掴むマーケティング術のまとめ

インスタ映えする写真をいくつも撮るよりも、フォトジェニックから少し離れてしまったクオリティの低い写真でも、背景にストーリーがあることで、感動を与えたり、それに感化されたりすることがあります。そのストーリージェニックを見極めてマーケティング術として使用する利点を考えてみるのもいいのではないでしょうか。

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