画像より動画の時代?ライブコマース活用術

画像より動画の時代?ライブコマース活用術

現在日本国内のアパレルECサイトでは、画像による商品説明がメインになっています。しかしアメリカ国内では売上のTOP1,000社内に入っているECサイトは、その半数以上が「動画」を利用して商品説明を行っています。日本国内でも動画を利用して商品説明を行うライブコマースアプリが増加傾向にあります。なぜアパレルECサイトで動画を使い商品説明を行うのか、またライブコマースの活用の仕方などについてこれから解説していきます。

そもそもライブコマースとは?

最近アパレルECサイトで使用しているところが増えている「ライブコマース」とは、ECとライブ配信動画の組み合わせで、ライブ動画を見ている視聴者が、コメントや質問を行いながら、リアルタイムで商品を通販できるシステムです。従来の静止画像では質問をしてもすぐには回答が得られず、着用感などを確認することができませんでした。また、テレビショッピングでは、司会者からの一方的な情報発信という形で商品への質問をすることができませんでした。ライブコマースはこのような問題点をクリアし、リアルタイムで司会者とのコミュニケーションをとるとこで、商品をより深く理解し通販で購入することができるのです。

既に中国ではライブコマースを取り入れているECサイトが多く、成功事例も多いです。国内ではフリマアプリで有名な「メルカリ」でライブコマースを取り入れ、タレントだけでなく一般の主婦などが販売商品を紹介する動画を配信しています。またショッピングアプリ「BASEライブ」ではショップやメーカーの人など、幅広い配信者が商品動画を配信することができ、一般ユーザーがライブ配信を見ながらリアルタイムで商品を購入できるシステムが確立しています。

ライブコマースを利用するメリット

実際にライブコマースを利用するメリットは、大きく分けると3つ挙げられます。

・配信者とのリアルタイムのコミュニケーションで購買意欲を上げることができる
・リアルタイムで商品についての質問ができ、疑問や不安をすぐに解消し安心して商品を購入できる
・動画視聴中でも購入まで数タップでスムーズに行える
・日本だけでなく海外に向けたECサイト作りができる

ライブ配信中はリアルタイムで画面越しに接客を受けたり、おすすめ商品を紹介されたりといったこともあり、「購入します」「ありがとうございました!」といったやり取りでライブ感を味わうことができるので、購買意欲を向上させることができます。また、不安に思うことや、サイズ・着心地などといった疑問点もその場ですぐに回答がもらえます。購入する前に不安な点や本物だということを確認することで安心して商品を購入することができるのです。

さらにライブ配信中でも画像の下に商品ページへの導線があることが多く、何度かタップすることで購入ができてしまうため、手間もかからず気軽に操作できることで利用者の利便性もよいことから、従来の静止画像での商品紹介よりも売上を上げることが可能です。そしてライブコマースにはデフォルトで中国語や英語などの外国語対応機能がついているので、グローバルなECサイトを作ることができるという大きなメリットもあります。

ライブコマースを活用するには

ライブコマースを新しく導入する企業は、どのように運営していけば売上UPにつながるか悩むことが多いです。単純に商品を紹介するだけなら誰でもできますが、売れるように商品を紹介するためにはマーケティングが必要になってきます。上手なライブコマースの活用法を行いたいのであれば、次の点に注意する必要があります。

・商品を着用する人の身長や大まかな体型などを周知したうえで試着してもらう
・消費者からの質問には正直に答えて信頼を得る
・レコメンド機能を使いこなす

試着している人の身長や体型がきちんとわからないと、商品が手元に届いてからイメージと違った、ということが起こる場合があります。このようなことがないよう、事前に商品を試着する人の身長や体型はある程度公開しておくべきです。また質問に対して嘘をついてしまえば、信頼度が下がり、誠実さがないと判断されてしまいかねません。

また、ライブコマースでは、紹介商品を購入したユーザーに、類似商品やおすすめ商品を紹介する「レコメンド機能」がついています。レコメンドはユーザーの好みでおすすめ商品を紹介できるので、ライブコマースと連動させることで、一緒におすすめ商品を購入してもらうことができ、ECサイトの売上を上げることができます。

ライブコマースを活用するうえでの注意点

従来の静止画像と比較するとメリットが大きいライブコマースですが、デメリットもあります。芸能人やインフルエンサーを動画の司会者として活用した場合、ファンが購入者になるであろうと予想するところが多いです。しかし必ずしもファンが購入者になるとは限らず、また、インフルエンサーや芸能人が商品に対する愛着感を伝えることができないと、商品のよいところが視聴者に伝わりにくいのです。さらにサービス開始から約1年で終了してしまったライブコマースアプリ「PinQul」のように、最初に想定していたのとは全く別の方向に向いてしまって売上につながらないといったことも起こりうるのです。

採用するインフルエンサーや芸能人によっては、売れる・売れないという差や客層の年齢や性別にも大きな差が出てきてしまい、視聴者はいるのになかなか商品が売れないといったことにもなりかねません。ライブコマースを活用する場合、商品を紹介する人物がインフルエンサーや芸能人である必要があるのか、ということをしっかりと議論して司会者の選定などを行わないと失敗してしまう可能性がある点は注意すべきでしょう。

まとめ

今までの静止画像とは異なり、実際の着用感を視覚的に確認したり、疑問点などをリアルタイムで解消したりすることのできる、ライブコマースには無限の可能性があります。ライブコマースを上手く活用させるには、念入りなマーケティングやレコメンドの併用といったことも大切ですが、一番重要なのは商品を紹介する人物です。インフルエンサーである必要があるのか、といったことはしっかりと議論して商品紹介者の選定を行わねばなりません。メリットとデメリットが存在しますが、今後のアパレルECサイトの売上向上においては、ライブコマースはかなり期待できるサービスといえます。

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