マーケティングオートメーションで成功したアパレルサイト|MAの成功事例

マーケティングオートメーションで成功したアパレルサイト|MAの成功事例

オムニチャネルの時代において、マーケティングオートメーションの存在が目立ってきています。見込み客の掘り起こしからその管理、選別、アプローチまで自動化、共有化できるのがマーケティングオートメーション(MA)です。ECサイトだけでなく、リアルショップでの売上向上、企画決定の速さに貢献するなど、大きな役割を果たします。ネット上での顧客アプローチと共に店員の販売活動を促進させることができるMAとはどのようなものなのか見ていきましょう。

マーケティングオートメーションとはなにか?

マーケティングオートメーション(MA)は直訳すると「顧客開拓の自動化」です。MAを行うためのシステムツールの役割としては、次の5つがあります。

1.リード管理

見込み客を管理するためのデータベース

2.リードジェネレーション

関心を示す見込み客を確保する

3.リードナーチャリング

見込み客の購入意欲を高めるための手法をとる

4.リードクオリフィケーション

見込み客から購入する可能性がある客を選び出す

5.オートメーション

見込み客のステータスごとにコミュニケ―ションをとる

 

対面での営業は4のリードクオリフィケーション以降を行うことで、営業活動がより効率的になります。MAはよく営業活動を自動化することと思われがちですが、リアルな営業において効率よく成果を上げるために必要とされる仕組みです。

MAが必須となってきている時代背景としては、顧客がネットから情報を収集し、営業担当に会う頻度が少なくなっているということがあります。対面でのコミュニケーションだけではなく、非対面でのコミュニケーションも必要な不可欠な時代において、MAが果たす役割は大きいです。

成約に結び付けるためには、顧客の個人情報だけではなくオンライン・オフラインにかかわらずあらゆる行動を把握し、最適なアプローチをかける必要があります。さらに顧客を属性化し情報を常々最適化した上で、購入を促したり、受注につなげたり、といった施策を打てるようにするのが理想的な利用の仕方です。

もちろん、MAが描く通りにすべての見込み客の購買意欲を高められるとはいえません。しかし、対面せずに顧客開拓をするMAは、昨今のネット時代において欠かせない仕組みであり、MAの利用なくして、営業・販売担当がスムーズに顧客と接触できる機会を得ることは難しいといえるでしょう。

ユーザーの行動に基づいたアプローチが

実際にマーケティングオートメーション(MA)ツールを導入している企業の成功事例として、転職サイト@typeの運営会社であるキャリアデザインセンターがあります。@typeでは今まで転職者との「One to One」のコミュニケーション課題としていました。

@typeは転職者個々人に接触する機会や頻度に違いがあるということだけでなく、同じ人物でも時間の経過と共に変化するという点に着目していました。そのため、都度Web上で転職者の行動をデータ化して、その行動にそった施策が自動的に行えるようなMAツールが必要だったのです。

@typeではさらに、ツールを利用して転職活動を始めようとしているユーザーや、会員登録をしたばかりのユーザーといった中間地点にいるユーザーとの接点も強化しようとしています。具体的な施策として、転職者のWebマガジンの利用やイベント参加など、MAツールの利用を介して情報を連携させ、コミュニケーションを深めようとしています。

ファッション系リアルショップとECサイトの違い

ファッション系リアルショップの店員は、日々顧客とコミュニケーションをとっています。上客には商品の仕入れ時期だけではなく買い付け時期を伝えたり、メールを嫌う顧客には個別に手紙を出したりするなど、リアルショップでは臨機応変な顧客対応が可能です。その日の天気や顧客のおかれた状況を掴み、それにそった商品の購入を促すということをしています。

顧客のタンスの中にどんな服が入っているのか、店員はヒアリングで把握することになります。店員は顧客の状況から気持ちを察することを求められている場合がありますが、これは生身の人間にこそできるコミュニケーションです。

一方、アパレルサイトをただ展開しているだけに終わると、チャネルは増えても顧客のリアルな情報を用いた戦略が打てず、デジタル上の情報のみで購入を促すことになります。

このようにリアルショップとアパレルサイトでは大きな相違点があるため、その差を埋めるべくリアルショップの目線をデジタルに取り入れることが必要です。そのような情報共有化によりスタッフの接客や戦略の手助けにもなってくれるのがMAです。リアルショップでの販売活動を支え、アパレルサイトでは実店舗の情報を取り入れての販促活動が可能となるでしょう。

リアルショップの情報とECの情報の統合

オムニチャネル化の時代、顧客はリアルショップだけではなくECサイトなど複数のチャネルから購入できる状態になっており、企業側はリアルもネットもどちらの情報もつなげて販売活動を行う必要が出てきています。

例えばリアルショップで顧客がセーターを探している場合、インナーのカラーはなにを持っているのかを店員がヒアリングし、そのカラーに合ったセーターをすすめます。このような場合にMAを利用するとECサイトや実店舗などの間で情報の共有が可能となるので、ヒアリングせずとも顧客のリアルな状況を把握できるのです。一方、ECサイトでは自動的にその顧客に最適な商品を提案できます。

すべての顧客データを統合するとECサイトの売上アップだけでなく、リアルショップではベテランのカリスマ店員でなくても、顧客のことを把握して接客することが可能となるので、コミュニケーションの活性化においても一役買うでしょう。

 

マーケティングオートメーションで成功したアパレルサイトのまとめ

マーケティングオートメーションにより、顧客に会うことなくECでのセールスが完了します。それだけでなく情報を共有化することによって、リアルショップでは経験数の浅い店員がカリスマ店員並みのパフォーマンスができる可能性があります。オムニチャネルの時代において、マーケティングオートメーションはその立役者となっています。顧客の購買意欲向上だけではなく、企業内の意思疎通を潤滑にし、店員のパフォーマンス向上にも役立つ仕組みです。

マーケティングカテゴリの最新記事