リアル店舗のスタッフがポイント!アパレル業界のMA活用術

リアル店舗のスタッフがポイント!アパレル業界のMA活用術

とりわけアパレル業界では顧客への効果的なプロモーションなどにおいてMA(マーケティングオートメーション)が活用されることは珍しくなくなってきています。このMAを効率的に行うためには業界やその会社の特色に合ったシステムの構築が不可欠となりますが、その一方でリアル店舗のスタッフによる顧客や他のスタッフとのコミュニケーションもまたMAにおいては不可欠です。

ここでは、リアル店舗におけるスタッフのコミュニケーションが欠かせない理由などを挙げながら、具体的なMA活用術について解説します。

MAとは何か

MAとは顧客一人ひとりの趣味嗜好に応じたコミュニケーションを実現することで、顧客とのより深い関係を構築するシステムのことを意味します。このシステムを構築することによって企業側は、より効率的なプロモーションなどを行うことで顧客の購買意欲を掻き立て、より多くの利益を上げることが可能になります。

例えば、MAによって管理された特定の一人の顧客の購入履歴からは、その人の好きな服の傾向などを分析することができ、さらにその情報をリアル店舗のスタッフと共有することができれば、その顧客が来店した際に購入してもらえそうな商品をおすすめするといったことができるでしょう。

このようにMAを活用し、実際に顧客への効果的な働きかけを行うためには、十分なデータを収集することが必要となるため、MAを最大限に活用するためには膨大な量のデータを収集し、管理するシステムの構築も不可欠となります。

MAの骨格はリアルショップのスタッフから

MAのシステムを構築することはリアル店舗のスタッフの仕事ではありませんが、そのシステムを活用するためにはリアル店舗のスタッフによる仕事が必要となります。特に顧客の趣味嗜好を判断するためのデータの収集においては、顧客の購入履歴だけでなくスタッフと顧客とのコミュニケーションが必要となる場合があり、それがなければMAのシステムを活用することはできません。

また、MAのシステムによって管理されたデータをプロモーションに利用する際にもリアル店舗のスタッフによるコミュニケーションは重要となります。

例えば、顧客一人ひとりの性格は単純な言葉で表現することが難しく、それはすなわちデータ化が困難であることを意味します。それに対して、リアル店舗のスタッフが顧客とのコミュニケーションを通して顧客一人ひとりの性格を把握することができれば、特定の顧客に対してはDMにてプロモーションを行うが、DMによるプロモーションを嫌う一部の顧客に対しては電話や来店時の直接の声掛けなどによってプロモーションを行うといったことも可能となります。

このような直に接することでしか分からない性格や趣味嗜好などのデータは、MAで管理されたデータと併せることでより効率的に利用することができるでしょう。

PDCAサイクルを繰り返し、MAの形が進化した

特に大きな企業では実際に現場で働いているスタッフの間では周知の事実となっていることが経営層には理解されておらず、そのことが弊害となって現場スタッフの間では効果が期待できるとされる施策に対して経営層からの許可が下りず、実行に移せないという事態が生じることも少なくありません。

このような問題に対しMAは、収集したデータを分析することで特定の施策の効果を裏付ける根拠を具現化することが可能であるため、今まではブランド単位や店舗単位でしか分からなかったことが、グループ全体で横断的に見えるようになり、経営層にもそのことを把握できるようになります。

また、このようなMAのシステムにてPDCAサイクルを繰り返し、MAの形を進化させることで、その精度はさらに高くなることから、「仮説が確信に変わる」ということが多くなり、その結果、より戦略的なマーケティング施策へと結びつけることも可能となります。

MAのメリットが発揮されつつある

アパレルブランドのリアル店舗では、顧客一人ひとりの趣味嗜好を覚えている「カリスマ店員」と呼ばれるスタッフが在籍していることもあり、その存在は店舗にとっても不可欠となっていることが少なくありません。しかし、このようなスタッフは十分な勤務実績があるだけでなく、顧客とのコミュニケーション能力が突出して優れているということも多いため、すべてのスタッフを「カリスマ店員」に育成することは困難です。

しかし、MAによって収集管理したデータとスタッフが接客を通して収集したデータを併せれば、その効果はカリスマ店員の存在以上のものが期待できることから、MAに備わったメリットは非常に高く、活用シーンも多岐にわたるといえます。

実際にMAならではのこのようなメリットが店舗の運営において活用されるケースは多くなっており、今後はそれが発揮される機会がさらに増えることが予想されます。

まとめ

MAを導入するためにはそのためのシステムの構築が必要であることから、MA自体をバーチャルなものと捉える方は少なくありません。しかし、その運用のためにはリアル店舗のスタッフの存在が不可欠であることから、バーチャルとリアルの両方の面があるとイメージしたほうが分かりやすいでしょう。

また、より効率的にMAを活用するためにはリアル店舗のスタッフのモチベーションを上げ、MAのシステムと融合させることが重要になるはずです。

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