ここ数年でポップアップを積極的に導入するECサイトが増えました。ECサイトにおけるポップアップの使い方は多様であり、上手く使えばコンバージョン率や売上の増加に直結する一方、間違った使い方でユーザーの利便性や満足度を低下させてしまうこともあります。
今回の記事ではポップアップを導入する際の効果的な使い方やそのポイント、メリット・デメリットについて詳しくご紹介します。
ポップアップにはどんなものがあるのか?
一口にポップアップといってもさまざまな種類があります。
タイムセール(タイムサービス)
タイムセールは指定の期間・時間内に特定の商品を安価で販売するキャンペーンのことをいいます。近年は「~時まで15%オフ!」「10日間限定タイムセール!」といった広告がホップアップでよく出るようになりました。
キャンペーン誘導
「会員登録すると今だけポイント10倍!」「豪華ギフトキャンペーン!」など特定のキャンペーンに誘導するポップアップもよくみられます。
ウェブ接客
ポップアップ形式のウェブ接客も近年はECサイトで常識化してきています。ウェブ接客によってユーザーの好感度や満足度を上げることは、そのままリピート率や購買率を上げることにつながります。
チャットワーク
ポップアップによるチャット機能をつけて即座にユーザーの疑問に応える態勢を整えているECサイトもあります。チャットを通してリアルタイムでユーザーとのやり取りを行います。
ウェブ接客とは
ウェブ接客とは、その名のとおりインターネット上における接客のことをいいます。一般のお店における接客というのは顧客に声をかけて興味や関心を引いたり、割引を提案したり、困っていることに対応してたりすることで、最終的に商品の購入につなげることを目的としています。このプロセスをネット上で行うことがウェブ接客です。
リアルタイムでチャットのやり取りをする、一定の金額を購入したらディスカウントバナーを表示する、サイトの常連客やリピーターにはポイントやクーポンを表示するなど、ウェブ接客を行うことで顧客の離脱を防ぎ、同時にリピーターを確保する狙いがあります。
サイトを訪問したユーザーの心理やニーズを読み取り、それぞれの訪問者にとって有益な対応をポップアップによって表示することがウェブ接客の肝です。接客の手厚いお店にはリピーターが多く、接客が乏しい不愛想なお店にはお客が集まらないのと同じように、ECサイトにおいても顧客の心を掴むことはそれだけコンバージョン率の上昇につながります。
サイト離脱ツールとしてのポップアップ
実際にECサイトにウェブ接客を導入するには専用のツールを使わなければなりません。ツールを提供する会社は20社以上におよび、その内容や効果、サービスの形はさまざまです。
- チャット機能に特化したツール
- バナーやクーポンを表示させるツール
- メルマガ登録や簡易フォームを表示させるツール
- AIによってウェブ接客のサイクルを最適化するツール
- 離脱したユーザーのリカバーや再訪問を促すツール
このようなウェブ接客ツールが提供されています。
しかし、いくらツールを導入してもユーザーの満足感が得られなければ効果を発揮しません。例えばチャットツールを導入しても実際にチャットでやり取りを行うのは生身の人間なので、ひとつ言葉を間違えばユーザーに不快感を与えかねません。どんなツールを導入したとしても接客の質を決めるのは結局のところ使用する側の人間です。接客ツールに任せっきりでは意味がなく、使う側がユーザーの心をくみ取って訪問者ごとに適切なポップアップを出さなければ離脱防止や再訪は期待できないでしょう。
AIには訪問者の気持ちは分かりませんから、どんなツールを導入しようともそれを活かせるかどうかはウェブ担当者の使い方にかかっています。サイトの離脱をさせないよう訪問者の心理をしっかりくみ取れるかどうか、ユーザーの心に寄り添ったツールの使い方ができるかどうかが重要になります。
ポップアップは効果的なのか
ポップアップ表示にはメリットがある反面、デメリットもあります。訪問者によっては「ポップアップがわずらわしい」と不快感を持つことも多いのです。そのため導入したポップアップが本当に効果あるかどうかを数値で検証してみる必要があります。ツール導入前と導入後ではユーザーの動向がどう変わったか、サイトの離脱率やリピート率はどうなったか、会員登録の有無はどうなったかといった点を具体的な数値で分析していきましょう。
- サイトに初訪問したユーザー
- 会員登録しているユーザー
- 会員登録はしていないけど再訪しているユーザー
- 複数の商品ページを閲覧しているユーザー
- 特定の同じ商品を長時間閲覧しているユーザー
このようにユーザーによってその行動や目的はそれぞれ違います。それぞれのユーザーに合わせて適切なポップアップ表示ができるか否か、ユーザーの心理をくみ取ったツールの使い方ができるかどうかが効果を挙げる鍵になります。
ポップアップの出るサイト、出ないサイトまとめ
ユーザーの満足度、利便性、行動などを細かに把握し、適切なツールの使い方ができればサイトの離脱を防止するだけでなく、新規顧客の獲得、コンバージョン率を向上させていくことができます。そのポップアップが好ましいと感じるユーザーもいれば、あざといと感じて煙たがるユーザーもいるので、それぞれのユーザー層に適したツールの使い方とアプローチが求められます。