探す楽しみ~ファッション系ネット通販の意外な使い方

探す楽しみ~ファッション系ネット通販の意外な使い方

とあるアパレル企業に勤めている30代の女性は「メルカリでは『店頭でもなかなか見ることのできないレア商品が、予想以上に安い値段で売られている』という探す楽しみがある」といいます。インターネットの普及により、都市部や郊外問わずに誰もが豊富なアイテムの中から自分好みの商品を選んで手軽に探すことができる時代で、ファッション系のネット通販はただ洋服を買うだけではなく「意外な使い方」をしている人がたくさんいます。今回はその「意外な使い方」をご紹介していきます。

アパレルECサイトはトレンドコーディネートの宝庫

アパレル系のECサイトは季節ごとやイベントごとに新作アイテムを掲載します。このとき、いろいろなシチュエーションを考え、商品画像はもとより、さまざまなコーディネート例の画像をSNSや通販サイトなどに掲載します。オシャレ好きの人なら自ら組み合わせを考案して、新しいファッションを作りだしていきますが、普段あまり着飾らない人や、コーデが苦手という人は、通販サイトなどに掲載されているプロが考えたトレンドアイテムのコーディネートを参考にする人が多いです。

このような消費者をターゲットにするために、ECサイト側もサイトの構成を考えなければならず、最近は消費者のニーズに応えるためにブログではなく「コーディネート掲載サービス」が注目を浴びています。ECサイトのスタッフが選んだコーディネート画像を登録、使用しているアイテムの情報などをまとめて掲載することで購買意欲を掻き立てるのです。商品だけでなく、実際にモデルが着用している様子も見ることができるため、多くのファッショニスタはこのようなコーディネート例を参考にして、オリジナルなファッションを考え出していることが多いです。

雑誌代わり?!コラムを楽しむ女性たち

ヨーロッパブランドのECサイトなどは、ECサイトに商品だけでなく独自のコラムを多数投稿していて、日本国内のアパレル系ECサイトでも、コラムのような読み物を掲載しているところが増えてきています。アパレル系ECサイトで成功しているところを見てみると、商品情報だけでなく、さまざまな情報を盛り込んだコンテンツが充実していることが分かるのではないでしょうか。これは現代の女性は恋愛やライフスタイル、ビジネスや趣味といった多くのことに興味のある人が多く、ショッピングついでにコラムを読む人が増えているためです。

通販サイトでも自社商品の情報だけではネットの海に埋もれてしまう可能性が高いため、関連する情報を取り扱い始めることでリピーターを獲得しているのです。忙しい現代女性は、ECサイトでショッピングするついでに雑誌感覚でサイト内にあるさまざまなジャンルのコラムを読んでいる人が多いため、アパレル系のECサイトが近い将来雑誌代わりになる日が訪れるかもしれません。

既存商品の情報をセール前にサイトで下見

実店舗ではセール時期は店内に人が多く、ごった返している状態でゆっくりと商品を見ることができません。いくらセールといってもせっかく購入するのであれば、自分の好みにあった商品をじっくりと探したいというのが消費者の心理です。実店舗にセール前に商品の下見に行く人は多いですが、実店舗だと商品をチェックすることはできるものの、コーデの参考例がなく実際の着用感や小物の使用感の感想を聞くことはできません。

そこで参考になるのがアパレルECサイトです。アパレルECサイトならセール前の既存商品情報やデザインなどをチェックでき、ショップのスタッフが考えたコーデ例を参考にすることができます。また既に購入した人からの使用感や着用感の口コミを見聞きすることができるので、セールで購入したい商品の下見にアパレルECサイトを利用する人も多いです。自社のECサイトの売上を伸ばすことを考えると、このような「下見」的な使用方法に対するマーケティングも大切なポイントになってきます。

トレンド感満載のサイトデザインを参考にするデザイナーたち

「トレンド」という言葉は、ファッション以外にWebデザイナーの間でもよく聞く言葉のひとつです。ファッション業界と同じようにWeb業界でもトレンドや流行があります。しかし、Web業界の場合は、色や形といった視覚的なデザイン的なものばかりではなく、HPを構築する上で必要なHTMLやプラグインなどの利用方法といった、技術的なものも指します。

アパレル系ECサイトは、取り扱っているブランドの特色が強く反映されており、トレンドを強く意識していることが多いため視覚的にもオシャレなデザインになっていることがほとんどです。また顧客の動向やリサーチなどマーケティングにも長けているため、使用しているプログラムやシステムなどもWebデザイナーにとっては参考になるものが多いといえます。そのため、Webデザイナーはアパレル系ECサイトや、アパレル系のブランドのHPなどを参考に、オシャレなデザインのHPや、機能性のよいWebサイト構築の参考にすることが多いのではないでしょうか。

まとめ

これまでのアパレル系ECサイトは、消費者に「商品をいかにして売るか」ということばかりを考えているところがほとんどでした。しかし、近年は消費者の望んでいるものが、商品だけでなくコーディネート例や商品詳細情報・口コミや関連情報のコラムなど多種多様化しています。Webデザイナーもアパレル系ECサイトを見ることで、創作意欲が刺激されよりよいHPを作る参考にしていることもあります。これからのアパレル系ECサイトの運営側は、ユーザーがどのようにすれば楽しむことができるのかということを根底に、マーケティングを行いHPにさまざまな仕掛けを工夫していく必要があるでしょう。

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