日本のWEBデザインの特徴とは?

日本のWEBデザインの特徴とは?

日本と海外のWEBサイトには大きな違いがあります。この違いを細かに知っておくことは、今後海外向けにECサイトなどを発信するときに非常に役立ちます。日本人が好むデザインと海外の人が好むデザインは違うので、その点を考慮したサイト展開を行わないと思ったような成果が出ない危険もあるので注意が必要です。
今回の記事では日本と海外のWEBデザインの大きな違い、その特徴について見ていきます。

日本のWEBサイトの特徴とは?

日本のWEBサイトの特徴は日本人の性格や気質、文化的背景が大きく関わっています。新しい大胆な挑戦をするよりも、どちらかというと失敗を避けるための堅実なサイトのデザインが目立ちます。

文字が隙間なく埋め尽くされている

日本の多くのECサイトに共通しているのは「文字(情報)を詰め込む」ということです。ブランドイメージよりもいかに多くの情報を伝えられるか、という点を重要視しているサイトが多くこれは日本人の堅実さや細かさが表れているといってもいいでしょう。

余白が少ない

これは情報量の多さと似ていますが、日本のサイトはテキストや画像を隙間なく埋めることで余白が少なくなっているのが特徴です。テキスト、メニュー、バナー、小さな画像(サムネイル)が画面全体に配置され、そのどこからでもリンクできるような形になっています。この点も日本人の気質が見え隠れしているのではないでしょうか。

カラムの数が多い

楽天のトップページがその典型ですが、上部、左右と数え切れないほどのカラムが配置されています。

日本らしいキャラクターとイラスト

日本のアニメは世界でも有名ですが、近年はアニメだけでなく、ゆるキャラやさまざまな可愛いキャラクターが自然とサイトのなかに溶け込むようになりました。日本のポップカルチャーの影響を受けたイラストやその世界観を持ったサイトデザインも近年はかなり増えています。

海外WEBサイトの特徴

欧米を中心とした外国のサイトは日本とは逆で、大胆さ、おおざっぱ、簡潔、シンプルといった面が前面で出てきます

写真が大きくテキストは少なめ

同じYahoo!でも日本とアメリカとでは大きく異なります。アメリカのYahoo!のトップページを見ると大きな写真のサムネイルが並んでいます。左右にも写真のサムネイルがずらっと並び、テキストは少なめ、フォントは大きめになっています。文字による情報よりも画像イメージのインパクトを重要視しているということです。

写真を全面に使う

日本は写真とテキストをバランスよく配置したデザインが多いですが、海外ではテキストを極力抑えて大きな写真を全面に使うデザインが好まれます。大胆さ、おおざっぱな性格が表れているともいえますが、文字情報よりもブランドイメージを重視する海外企業の性格もあるでしょう。

ブランディング第一の傾向

海外のサイトではトップページにブランドロゴのみが配置されたデザインをよく見ます。テキストは皆無で背景画像とロゴだけをトップに持ってくるというのはブランドイメージを重要視する海外企業の性格がよく表れています。

チャレンジ精神が感じられる大胆なデザイン

日本ではとかく「堅実に」「失敗しないように」という精神から大胆なデザインは控えられ、文字情報の多い堅苦しい感じのサイトになりがちですが、海外ではそうした壁が取っ払われて非常に大胆な、チャレンジ精神が垣間見えるデザインが多くみられます。

日本・海外のWEBサイトの3つ大きな違い

上述した内容を踏まえて日本と海外のWEBサイトの違いとその比較内容をまとめてみます。

1ページにおける情報量の多さ

日本のECサイトのトップページは、文字情報70~80%、写真20~30%くらいのバランスになりやすいですが、海外のECサイトは文字情報30~40%、写真60~70%くらいのバランスが多くなります。海外ではサイトによってはトップページで写真90~100%となることもあるので、1ページ目における情報量の違いとそれに対する価値観は日本と海外とでは大きく異なります。

デザイン(シンプルとごちゃごちゃに分かれるのはなぜか)

文字量やカラムが多く、ごちゃごちゃしてしまう日本のサイトは日本人特有の「堅実さ」「細かさ」「失敗を恐れる気持ち」が表れているよう思われます。失敗したくないから挑戦は避け、大胆さを抑え、堅実な方向にデザインする。逆に海外では大胆さ、イメージの強さから画像のインパクトが強めで、文字の少ないシンプルなデザインが多くなります。

目新しさ(新しいテクニックを使っているかなど)

日本でも新しいWEBデザインの形に挑戦するケースはみられますが、海外の有名ブランドや大きな企業のほうがより目新しさを重視した斬新なテクニックを用いたデザインを多く起用しているように思われます。守りに入りがちな日本の企業と、大胆さとブランディングの強さを重視する海外企業との意識の差があるのではないでしょうか。

海外から見た日本のWEBサイト

実際に海外のデザイナーやユーザーから見て日本のサイトはどのように映っているのか、どのように感じられているのか・・・その生の声をご紹介します。

イギリス在住のユーザー

日本のWEBサイトが悪いとか、デザイン的に劣っているとかそういうことはありません。簡単にいうと日本のWEBサイトとアメリカのWEBサイトは別物です。日本人には日本人が見やすいデザイン、好みのサイトというものがあるでしょう。アメリカのサイトが日本人に好まれるかというとそうではない。だから結局はどっちが良いか悪いかではなく文化の違い、別物だということです。

フランス在住のデザイナー

日本のサイトは広告収入で成り立っているので、バナーやテキストが多く配置されて雑多になりやすいです。取っ散らかって見えるんですよね。でも、日本の若手デザイナーたちは、本当は新しいテクニックを取り入れた斬新なデザインで勝負したいと思っているはずですよ。でもそれができない風潮、日本の企業の体質があるんじゃないでしょうか。

スウェーデン在住のデザイナー

決してそんなことはないよ。日本にもイメージ重視の優れたサイトはたくさんある。
http://www.soujyu.megaminomori.com/
http://www.thermofix.co.jp/development.html

日本にもこういうサイトがもっと増えるとうれしいね。

まとめ

WEBサイトのデザインはその国の気質や文化的背景の違いが大きく関わっています。日本人には日本人に合ったデザインがあり、海外では海外に合ったデザインがあります。それぞれの国の文化、習慣、風土に合ったものをその時その時に応じてデザインすることが求められます。どちらが良い悪いということではなく、その国のユーザーならばどういうデザインを好むか、どういうサイトのほうがより使いやすく感じるか、こうした点を見極めることがポイントになります。

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