実例から学ぶ新しいファッション系プロモーション!

実例から学ぶ新しいファッション系プロモーション!

一昔前は企業が一方的に広告してサービスを提供するだけでした。しかし、いまや企業とユーザーがネットを介して意見を交わし、一緒にサービスを作り上げていく「共創=Co-Creation コ・クリエーション」という価値観が浸透していきいます。

一方的なプロモーションからは決して生まれない「共創」とは一体何なのかを詳しく見ていきます。

Co-Creation~コ・クリエーションで顧客と共に作るプロモーション手法

コ・クリエーション(Co-Creation)とは、企業と消費者が意見交換・対話・共同参画を通して共に新しい価値を創造していくことをいいます。共に価値を創造していくという意味から「共創」とも呼ばれます。顧客を単に消費者として見るのではなく、新しいサービスを生み出すパートナーとして見るというのがポイントで、顧客と一緒に新たな価値を創造していく先進的なプロモーション手法です。

近年はSNSの普及により、企業とユーザーが直接に双方向のコミュニケーションを行えるようになりました。それだけ顧客の声をダイレクトに聞けるようになり、多くのユーザーの声を取り入れた、消費者の企画への参画が可能になりました。

コ・クリエーションを積極的に取り入れて成功を収めた企業のひとつにファストファッションECの「SHOPLIST」があります。SHOPLISTは立ち上げ4年で取扱高150億円を達成し現在も急成長を遂げています。「今あるサービスよりもどうすれば便利になるか」ということを顧客の意見を幅広く取り入れることで多くのユーザーの獲得に成功しました。

H&MとBoiler Roomが仕組んだプロモーション

企業間でのコ・クリエーションも盛んに行われています。

ファッション業界は繊維や自然素材を大量に用いて商品を作るので、自然環境の維持や資源の枯渇化の防止といった環境と社会によい影響をもたらす“循環型素材”の開発が注目を集めています。これは、これまで敵対意識の強かったファッションブランド同士が循環型経済という思想を共有し、お互いの素材の調達や商品のデザインの仕方を見直すことで、ファッション業界に新しい変化をもたらそうとする流れから生じてきました。

ファッション業界の大手である「H&M」はこのような循環型ファッションビジネスの形成において中心的な役割を果たしています。近年、H&Mは独自の基金を立ち上げ、香港の繊維会社と一緒に新たな熱水処理技術を研究し、品質を落とすことなく混合繊維を分離して布と糸を再利用できる方法を開発しました。今後この新しい技術をファッション業界全体に広めていくことを計画しています。

H&M以外の大手ファッションブランドも既存のビジネスモデルから持続可能な循環型ビジネスモデルへ移行し、他社との共創を目指すケースが増えてきています。

ソーシャルメディアの発展とコ・クリーション

インターネットの発展によりコ・クリエーションとソーシャルメディアは切り離せない関係になってきています。企業とユーザーが直接的にコミュニケーションを深めることができるSNSは、ユーザーと一緒に新たな価値を生み出すうえでとても重要なツールです。

SNSを介したコ・クリエーションは、単にユーザーの意見を取り入れるというだけではなく、ユーザーもまたサービスや商品の創出に参画してそれを「経験する」という新しい価値の共有の仕方が増えてきました。つまり企業は商品を提供するだけではなくなり、ユーザーも消費をするだけの存在ではなくなったということです。お互いが一緒の価値を共創するプラットフォームとしての場所がまさにSNSといってもいいでしょう。

近年の企業のマーケティングや商品開発は、このような「ユーザーとの価値共創」を軸に据え、顧客の「体験」を生み出すことでさらなる共感を獲得し、ブランドとユーザーの共同体を作り上げることによってファン拡大や売上アップにつながるケースか多くなってきているのです。

コ・クリエーションの効果を引き出すポイント

コ・クリエーションの効果を引き出す大事なポイントは、実行力のあるリーダーを決めるということです。コ・クリエーションは顧客を巻き込んで新しいソリューションを生み出すことなので、リーダーシップを発揮して多くの人をまとめる役割が重要になります。SNSだけでなく実際にユーザーとワークショップを開く場合もあるので、リーダーはどうすれば最大限の価値共創が生み出すことができる「場」を作れるか、組織のなかにいかに社内と社外の人々をバランスよく呼び込めるかを考えなければなりません。

社内においては縦割りの壁もありますし、人間関係や役割分担がなかなか上手くいかない場合や素晴らしいアイデアが生まれても上層部に理解してもらえない、といった問題も生じがちです。そのなかに社外のユーザーも加わるとなおさら混乱することもあります。そのため「参画者のすべてが一致団結して同じ目標に向かっていける環境」を作り出せるよう、強力なリーダーシップを発揮できる人物が必要になるのです。この点はコ・クリエーションを成功させるうえで極めて重要なポイントです。

実例から学ぶ新しいファッション系プロモーションののまとめ

ビジネスや商品開発におけるSNSの最大のメリットは「双方向のコミュニケーションができる」ということです。そしてSNSの発展は同時にコ・クリエーションのような全く新しいプロモーション方法を生み出しています。

企業と消費者との直接的な交流によって生まれる「共創」という新たな価値は、今後どのような進歩を遂げていくのか注目していきましょう。

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