アパレルサイトのUXトレンド

アパレルサイトのUXトレンド

UXはユーザーエクスペリエンスの略です。UXはUIとは異なり、サイトの利用ユーザーが得る経験という意味があります。アパレルサイトのUXとは、ユーザーがサイトを訪れて、商品を購入するまでの経験です。UXにはサイトのデザインも影響しますが、どのようにアパレル商品を購入できるかでもUXの良し悪しは変化します。スマートフォンなどのデバイスも登場し、関連するIT技術も発展してきて、サイトのUXのトレンドも変化してきました。この記事では基本を抑えながら、アパレルサイトとしても最新のUXトレンドを紹介します

一人人のユーザーに合わせて最適化

アパレルサイトを利用して服を購入する人は、限られた環境で自分に合う服を探すことが多いです。そこで、アパレルサイトを運営するにあたって、ユーザーの好みはもちろん、購入履歴や季節などを考慮し、最適なアイテムを提案するハイパー・パーソナライゼーションが注目されています。

情報過多の時代

近年では、買い物疲れを起こすユーザーが存在する理由として、アパレルサイトが乱立し、情報過多であることが原因の1つとしてあげられます。できるだけ無駄な時間を使わず、欲しいアパレルアイテムを見つけたいとユーザーは願っているのです。

アパレルサイトでハイパー・パーソナライゼーションを考えるのならば、ユーザーの検索履歴や購入履歴、さらにそれらの時期と、ユーザーの性別や年齢を考え、その時々でアイテムを提案していく機能が必要になるでしょう。

ただし購入・閲覧履歴にあるからといって、真夏にダウンジャケットを提案しても的外れであり、季節感は大切です。適切なアイテムを提案するには、多くのユーザーの行動データを蓄積する必要があります。ユーザーにとって適切なアパレルアイテムを提案できれば、購買につながりやすくなるでしょう。

ストーリーで共感を呼ぶ

俳優やミュージシャン、アイドルなどは、見た目とともに、その人物の価値観や生き方も人気の大きな要素を占めます。企業商品も、開発背景などを紹介し、ストーリーを加えて販売することがあります。人は、商品の見た目や機能性だけでなく、その背景やストーリーも考慮して購入しているのです。
アパレルアイテムにしても、有名ブランドだから、有名なデザイナーが作ったからだけではなく、新しい素材やデザインの開発に至った経緯やストーリーなどに共感して購入することもあります。

このようなことから、アパレルサイトのUXを考える場合、ユーザーに共感を得られるようなストーリーを紹介するのも1つの方法です。ブランドに関すること、商品コンセプトなどのストーリーをアパレルアイテムに取り入れて紹介することで、ユーザーの共感を得られれば、購入機会につながることも期待できます。もちろん、文章でストーリーを紹介しても良いですが、画像や絵を使うなどしてビジュアルで訴えると、ユーザーにとって理解しやすくなるばかりでなく、より共感を得やすくなります。

共通的な不満を解決する

従来の通販サイトでは、商品を探してから購入画面に移動し、名前や住所などの配達先を入力、さらに支払い方法や配送方法を選択し、銀行振込や代金引換、カード決済という商品の代金決済を行って購入を完了させる必要があります。最近では、もう少しスムーズに購入できるサイトもありますが、ユーザーは通販での入力や画面遷移については、いまだに以下のようなストレスを感じています。

  • 自分の希望する支払い方法が使えない
  • IDやパスワードなど入力し会員登録するのが手間
  • パソコンもスマートフォンも同じように使いたい

これらのストレスを解消する1つの方法が、楽天ペイやアマゾンペイなどのキャッシュレス決済です。スマートフォンがあれば、通販で何かを購入するにしても、会員登録は必要なく、QRコードを読み取るだけで購入と決済が完了します。クレジットカード決済よりも手間がかからず、アパレルサイトに導入するのも簡単です。

キャッシュレス決済はいくつもの会社がサービスを提供しているので、導入するなら利用者の多いサービスをいくつか取り入れるとよいでしょう。

モノではなく「コト」を提供する

例えば洗濯機が欲しいという人は、何を求めて購入するのでしょうか?それは衣類がきれいに洗い上がったり、乾燥機能で衣類がふんわりと乾いたりといった、洗濯機を使って得られる体験・結果を求めているのです。これは、アパレルアイテムにしても同じであり、消費者はそのものを購入することでどのような体験が得られるかを考え、買いたい製品を選びます。これはコト消費と呼ばれています。

アパレルアイテムにおけるコト消費の提供には、ユーザーがそのアパレルアイテムをどこで使うのかを考えて、コーデを提案する方法があります。例えば、彼とのデートに着る服を探しているユーザーには、場所別コーデや、男性向けコーデなどの提案をするといった具合です。

家にいながら、アパレルサイトで試着ができるバーチャル試着も、コト提供の1つです。例としては、サイト上に自分の体型と同じマネキンを登場させて、販売アイテムを試着できるようなシステムがあげられます。実店舗で試着するように、サイト上で試着できるので、ユーザーにとっては、試着する様子を見るだけでも楽しめますし、サイズが合わないかもという心配を取り除くことで、購入につながりやすくなります。

まとめ

ユーザーへの提案アイテムの最適化、ストーリーでアイテムを紹介など、UXの一例をご紹介しました。ファッショントレンドが変化していくように、アパレルサイトでのUXトレンドも日々変化しています。UXトレンドには、すぐ取り入れられる内容から、費用や手間のかかる内容までありますが。アパレルサイトでUXを考えるのならば、ユーザーがサイトを訪れて、快適で楽しいと感じられる体験を提供するのが基本です。快適で楽しくサイトを利用してもらうにはどうすればいいのかを考えると、自然と取り入れるべきUXが見つかるでしょう。

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