中国のインフルエンサー事情~ファッションに影響を及ぼす女性達

中国のインフルエンサー事情~ファッションに影響を及ぼす女性達

中国のファッションEC業界ではSNSで女性インフルエンサーを活用したプロモーションが活発になっています。InstagramやFacebookで多くのフォロワーをもち、商品の宣伝をおこなう人をインフルエンサーとよび、起用することで多くのフォロワーを広告対象とすることができます。Web検索だけではなくSNS検索も重要視されているファッション業界では一般的なWeb広告よりも効果があることが多く、中国への進出を考えているのであれば認識しておくべき宣伝方法のひとつです。

いま、中国の女性インフルエンサーが熱い

女性のファッション商品で越境ECの一環として中国進出に力を入れる場合、女性インフルエンサーの起用は、実際にするしないにかかわらず戦略のひとつとして考えるべきです。中国にはインフルエンサーを収益としている人も多く、日本でいう芸能人やモデルなどにあたるものと考えるとわかりやすいでしょう。「有名な芸能人に宣伝してもらえれば販売効果は上がる」という広告戦略は大きく力を入れたい場合にでてくる手法のひとつですが、中国ではSNSのユーザーはインフルエンサーがそれと同等の影響力をもっているケースがあります。

インフルエンサーそれぞれの知名度は異なり、10万人ほどのフォロワーをもっている場合メガインフルエンサーとよび、それ以下をマクロやマイクロ、ナノインフルエンサーなどと分類します。

いずれも芸能人に比べると一般的な知名度は低いものの、ネット上では芸能人よりも影響力があることも多く、宣伝商品の購入ページまでSNS上で簡単に飛ぶことができたりと、EC事業では販売数に大きく影響するのです。具体的にインフルエンサーの実例をいくか挙げて解説します。

ジャン・ダーイーは年収50億のインフルエンサー!

ジャン・ダーイーさんは30歳前後の女性インフルエンサーです。インフルエンサーだけで収益を得ているわけでなく、その知名度を武器にしてお店を出店しての収益とはなりますが、日本円で約50億円をも稼いでいるのです。
ジャン・ダーイーさんはたまたまSNSで有名になったのではありません。自分でどうすればSNSのファンをつかめるかを考え投稿し、フォロワーを500万人までに増やしてきたのです。

ファッションを中心とした投稿のなかでも自分が思った感想を記載するのではなく、「あなたはこのファッションやアイテムをどう思う?」という、フォロワーに対して質問を投げかけるような投稿をします。そうすると一方的に感想を記載するよりも多くの反応があり、それに対してのさらなる返信でやりとりをすることが大事だと考えています。

SNSの利用者でファッションに興味をもっている方は憧れる人や参考になる人をフォローします。そのなかで素敵なファッションセンスをもっていると思った人と交流できることが楽しいと思っていることを理解し、ジャン・ダーイーさんはどうすればより交流できるかを考えてファンを増やしてきたのです。

女性経営者としても活躍するインフルエンサー陶沙(桃子与司康)

中国のSNSのウェイボで桃子与司康という名前で活躍している陶沙さんは、日本企業でも多く採用されており、日本と中国企業のコンサルタント業もおこなっています。こうした多角的な活動から、日本のメディアではAbemaTVなどにも出演しているのです。

そのためインフルエンサーとして人気をもつという部分にとどまらず、企業がインフルエンサーを利用する際に気をつけることなどもノウハウとしてもっています。日本が中国のインフルエンサーを起用するときには、多くが間にエージェントを挟むことになるので、そのエージェントの選定に加えて広告対象にあったインフルエンサーを選ぶことが重要だと陶沙さんは考えています。中国のインフルエンサーは日本の役者やアイドルに近い存在で、得意なジャンルや年代もそれぞれ異なるからです。

陶沙さんは日本企業が信頼できるエージェントや、広告にそったインフルエンサーを見つけるためには、大手だから安心して頼めるという先入観を捨てて選ぶ必要があり、中国に詳しい人材を社内で用意することが大切になると考えています。これは中国進出に力を入れる際の参考となるでしょう。

日本在住の女性インフルエンサー林羊羊(Lin Yangyang)

中国のインフルエンサーのなかには日本在住の方もいます。林羊羊さんは日本のベビー商品やマタニティグッズ、化粧品などに強みをもったインフルエンサーで、フォロワーは110万人以上です。そのフォロワーと関係を保つために、毎日朝起きてからニュースやSNSでの情報収集を欠かしません。毎日5回はフォロワーが興味をもちそうな話題を選定して更新しています。他にも日本の生活での細かいことをSNSでも伝えています。

林羊羊さんのような日本在住のインフルエンサーのフォロワーの多くは、日本に住んでいる中国人です。越境ECのそもそもの目的として、日本に旅行や留学などで一時的に滞在している人からの口コミで広まった日本の商品を外国にいながらにして購入する、という層をターゲットとしています。

現在日本に住んでいる外国人に日本の製品やよさを知ってもらうということは、越境ECの根本的なターゲットとして、将来的な宣伝につなげることができます。

まとめ

巨大な中国市場に進出していくのは一見大変なようにも思えます。しかし中国のインフルエンサー事情として日本企業とも既につながっていたり、日本の製品に興味をもっている方も多く、宣伝媒体として活用することで中国の女性への宣伝をすることが可能です。しかしただ有名なインフルエンサーを起用すればよいということはありません。しっかりフォロワーと交流をして信頼性を日頃から構築し、プロモーションの対象にそったインフルエンサーを起用することが重要になります。

プロモーションカテゴリの最新記事