こんなに違う!海外と日本のECサイト、WEBデザインと構造を比較する

こんなに違う!海外と日本のECサイト、WEBデザインと構造を比較する

海外のクールなデザインを真似したのにユーザーからの評価はいまいちだった……という経験はないでしょうか?
そのデザインがユーザーから評価を受けるか否かは、その国の国民性や気質が大きく関わっている、ということを知る必要があります。日本人好みのデザインが欧米人にはいまいちと感じられるように、各国の人々にとってサイトデザインに対する考え方や感性は異なります。
ECサイトを構築する上でこの点を把握していくことが大切になります。

言語の違いがデザインに影響する、フォントにも

同じテキストでもフォントが違えればそこから受ける印象も大きく異なります。日本人の場合ゴシック体と明朝体では見た目の印象や心象が異なるように、欧米人はサンセリフ体とセリフ体でそこから感じる印象が異なります。

同じ言語でもフォントの微妙な違いで感じ方に大きな違いが出るという点は注意しなければならないポイントです。

海外向けにECサイトを発信する場合、その国の言語とフォントについて慎重に吟味する必要があります。それはつまり“その国の人たちがそのフォントについてどういう印象を持っているか”を知ることです。これを軽視すると効果的なデザインは作れません。

実際にそのフォントが海外でどういうサイトで使用されているかを調査する、またはその国のフォントを見慣れている人に意見を求めるなどして適切なデザインを作っていく必要があります。

フォントスタイルはゴシック、明朝、セリフ、サンセリフだけではありません。マルチバイトとシングルバイトのフォントは多様にあり、その分だけ印象の数も多くなるので、それだけサイトデザインに及ぼす影響は大きいといえます。どんなシーンにどんなフォントが合うか、特定の国の人にはどのフォントが好まれるかを把握することが重要になります。

環境が及ぼす色彩や構造、国民性も

世界にはさまざまな国があり、そこに住む人々は自然環境、気質、性格などによって国民性がそれぞれ異なります。国民性が違うということはWEBサイトに対する考え方や感性、色彩への好みも異なるということです。

例えば日本人はオレンジの色に対して「暖かい」「元気」「明るい」といった印象を持ちますが、メキシコではオレンジは「葬式」をイメージする色になり、欧米ではハロウィーンをイメージする色になります。

ほかにも緑色は日本では「癒し」「エコ」をイメージしますが、欧米では「不気味」「毒」というイメージになり、赤色は日本では「情熱」なのに対し中国では「不貞」となります。フィンランドは自然が豊かな国なので緑を基調にしたデザインが好まれます。このように国柄、環境によって色彩の印象は異なります。

アメリカは多国籍であり自己主張とオリジナリティが強く求められる国です。そのため他社のデザインを真似するということも少なく、インパクトの強さ、ユーモア、新しい発想のデザインが重要視されています。

アメリカ人からするとテキストが多くて安定性ばかりを重視した日本のWEBデザインはつまらないと感じることが多いようです。中国は人口が多く「強く自己主張しないと誰にも見てもらえない」という考え方があるので「勢い」「派手さ」が重視で、同じアジアでも「静的」「落ち着き」を重視した日本とは性格が異なります。

このように国の違いによってECサイトのデザイン、カラー、構造はそれぞれに異なってくるのでそれに合わせたデザインが求められます。

ファーストビューの考え方。情報量が多い日本、イメージ重視の欧米型

欧米と日本のファーストビューに対する考え方は大きく異なります。欧米と日本のデザインを比較してみると欧米のECサイトは「イメージ重視」、日本のECサイトは「情報重視」であることが分かります。

欧米の多くのECサイトはトップページにでかでかと写真のイメージを載せることが多く、テキストよりもはるかにその存在感が強く出ています。文字による情報量よりも写真のダイナミックなイメージによってユーザーの興味を引くことが重視されているのです。

カラーもどちらかというと単調で控えめです。イメージを重視したサイトの構築はブランディング効果をより高める狙いがあります。

一方、日本のECサイトは欧米のサイトデザインとは真逆の傾向が強くなります。写真が小さい、文字による情報量が多い、色の使い方が多彩で細かい、サービスやキャンペーンへの誘導が多い、といった特徴があります。

欧米は「不必要なものをできるだけ削っていってコアな部分だけを残す」、日本は「情報をできるだけ詰め込んで訴える」ということが主眼に据えられているといえます。

シンプルさがクールに見える欧米圏。文字も構造も多様なアジア圏

欧米圏、アジア圏のサイトデザインを比較するとさまざまな違いがあるのが分かります。

欧米の場合

  • 全面画像が多い
  • 文章は少なく写真が多い
  • フラットなデザインが好まれる
  • ボタンの数は少ない
  • 色は控えめで多彩ではない

日本の場合

  • 写真が小さく文章が多い
  • 情報を詰め込む形が多い
  • メニューや項目が数多く並んでいる
  • ボタンやバナーは多様でカラフル
  • 背景色は白が多い

中国の場合

  • 一画面に収まらず長いページが多い
  • 点滅や光る装飾が多い
  • 日本以上にカラフルで極彩色
  • テキスト、フォントの表示が大きい
  • ほとんど余白がない

欧米のデザインがクールに見えるからといって同じスタイルを日本に持ち込んでもユーザーから支持されるとは限りません。国ごとによって国民性や気質は異なりますから、やはりそれぞれの性格を理解した上でそのつど最適なデザイン構造を作り上げることが大切です。

海外と日本のECサイト、WEBデザインと構造を比較のまとめ

海外向けにECサイトを構築する場合、その国の国民性や気質、環境や歴史的背景を把握することが何よりも大切です。色使いひとつで与える印象が大きく変わりますから、事前のリサーチは必須です。日本人好みのデザインを海外に発信しても顧客の獲得には結びつくかどうかは不確かです。国柄、地域、ロケーションに合ったサイトの構築が求められます。

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