ベネマ集客術で一歩先を行く-ベネフィットマーケティング

ベネマ集客術で一歩先を行く-ベネフィットマーケティング

商品のプロモーションにおいては、その商品にはどのような特徴があるのか、このような商品中心の施策を打ち出しがちですが、これでは顧客はどのような恩恵を受けられるのか分からず、効率的な集客術とはいえません。

これに対し、その商品を購入・使用することによって顧客が得られる恩恵を「ベネフィット」といい、それを調査することをベネフィットマーケティングといいます。また、このベネフィットマーケティングで得たデータをもとに行う集客術を「ベネマ集客」といい、その手法は上述した商品中心の集客術とは相反するものとなります。

ここでは、このベネフィットマーケティングとベネマ集客術について解説します。

ベネフィットマーケティングとは

上述したように、その商品を使用することで得られるベネフィットは顧客にとって商品そのものの特徴などよりも重要な情報であり、その商品を購入するか否かを決める重要な判断基準となります。そのため、商品を販売する側は、顧客が求めるベネフィットの詳細をマーケティングによって明確化しなければなりません。

例えばECサイトが取り扱う商品の中でも定番のもののひとつであるアパレルに対して顧客が求めるベネフィットは、「それを身につけることで人からおしゃれだと思ってもらえる」、あるいは「防寒が可能となる」といったものが考えられます。

このようなデータはベネフィットマーケティングによって得ることができ、さらに商品開発においても活用することができます。そのため、特にEC業界において、ベネフィットマーケティングをとおして顧客が求めるベネフィットを明確にすることは、商品の開発から商品の販売までにおいて欠かすことのできないアクションのひとつといえます。

ベネフィットマーケティングのメリット・デメリット

続いてはベネフィットマーケティングのメリットとデメリットについて、もう少し詳しく解説したいと思います。

ベネフィットマーケティングは、顧客が求めるベネフィットを明確にし、商品開発から販売において幅広く活用できるというメリットがあります。また、それと同時に、ベネフィットマーケティングをとおして顧客のベネフィットを明確にするためには、顧客が抱える悩みや問題を明確にし、それを解決するための方法がベネフィットであるとの認識もしなければなりません。

したがって、ベネフィットマーケティングをしっかりと行っている企業は、顧客が抱える悩みや問題について真摯に考え、商品開発を行っていることから、そのことは企業全体のイメージにも大きなよい影響を与え、ブランドイメージのアップにもつなげることが可能といえるのです。

一方で、ベネフィットマーケティングは十分な量のデータを集めるのに長い時間と手間を要するだけでなく、それをもとにした分析が正しい方法で行われないと、商品開発だけでなく販売においても大きな不利益を被ることになります。そのため、リスクが決して少なくはないという点は大きなデメリットとして認識しておく必要があります。

ブランディングとベネマ~アパレルECにとって重要な戦略

特にアパレルに関してはブランドとしての価値が商品の価格を決めることが多く、ただ商品を開発し、売ることだけに注力するのではなく、ブランド価値を高めるためのブランディングも同時に行わなければなりません。

ベネフィットマーケティングによって明確になった顧客が求めるベネフィットは、このようなブランディングにおいても活かすことができます。例えば、特定のアパレルブランドに対し、「デザイン性の優れた服を着て街を歩きたい」、あるいは「耐久性の高い服を長期間にわたって着たい」などのベネフィットを顧客が求めている場合だとします。このとき、商品の開発において、それらのベネフィットを超えることを目的としていれば、顧客の求めるベネフィットの実現だけでなく、ブランド価値のアップにもつなげることができます。

また、ブランド価値は商品の価格帯を決定する重要な要素にもなるため、これらのベネフィットを実現することによってブランド価値を維持し、商品が低価格に陥ってしまうのを防ぐこともまた、ベネフィットマーケティングの大きな目的のひとつとなります。

このようなことは実店舗だけでなく、アパレルを多く取り扱うECサイトに関しても同様であり、その運営においても顧客が求めるベネフィットの実現とブランディングの促進に努めなければなりません。

ファッションに敏感なユーザにとってのベネフィットとは

ベネフィットマーケティングの目的は、顧客が求めるベネフィットを明確にすることであるため、その過程においては心理的なアプローチも必要です。

特にファッションに敏感なユーザがアパレル商品に対して求めるベネフィットは、商品の実用性に関するものというよりは、「人に自慢がしたい」、「魅力的だと思われたい」といった心理的なものが多いため、それらをより明確にする上でも心理的なアプローチは欠かすことができません。

アパレルECサイトの運営においては、ただ商品の紹介をするだけでなく、その商品を着用することによって満たされるユーザの心理的欲求に関する言及や、それを連想させる商品画像の掲載などもベネマ集客術として有効です。

ベネフィットマーケティングのまとめ

ここでは商品に対して顧客が求めるベネフィットを明確にする「ベネフィットマーケティング」と、それによって集客を図る「ベネマ集客術」などについて解説しました。

ベネマ集客術の一環として行った施策は最終的にブランディングにつなげることができ、高いブランド価値による顧客への心理的アプローチも可能となります。その一方で、ベネマ集客にはメリットだけでなく、デメリットも伴うため、それらを総合的に考慮した上でベネマ集客を検討してみてはいかがでしょうか。

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