ブランディングはマーケティングとは違う!?知っているようで知らないブランディングの話

ブランディングはマーケティングとは違う!?知っているようで知らないブランディングの話

昔からアパレル業界では「ブランディングが大切」とよくいわれますが、この「ブランディング」と「マーケティング」を混同している経営者も多いようです。どちらも売り上げにつながる重要な要素ではありますが、根本的に「市場開拓」や「他社商品との差別化をはかり、ブランドの価値を伝える」といった意味で大きな違いがあります。

今回はアパレル業界におけるブランディングとマーケティングの違いや、どのようにすれば市場開拓が行いやすくなるか、といったことについて解説していきます。

そもそもブランディングとは?

「ブランディング」とは、自社、もしくは自社の商品に対するイメージを消費者に認知してもらい、市場におけるポジションを確立するために行う活動のことを指します。自社のオリジナル商品やサービスの価値を他社と区別するために必要なもので、商品デザインや商標など複数のものが組み合わさってひとつのブランドを作り上げていくのです。

しっかりと自社オリジナルのブランドを作り、それをどのように消費者側に伝えて認知させるか、またアパレル市場で自社ブランドの位置を明確にすることがブランディングのポイントです。

ブランドというと消費者は「高級な商品やサービス」といったイメージを持ってしまいがちです。しかし、ブランドは必ずしも高価である必要はありません。商品の品質やスペックの良さを表す「機能的な価値」、消費者が商品に対して持つ「感情的な価値」、消費者がブランドに対して憧れやこだわりを持つ「人間的な価値(自己表現的な価値)」の3つがあれば、ブランドとして確立されるのです。

ターゲットとなる市場に既に強力な競合ブランドがある場合、自社ブランドを認知してもらうのは大変なことですが、消費者にとってオンリーワンのブランドとなることができれば、多額の広告費用をかけずとも顧客を得やすくなるでしょう。

ブランディングはどのようなことを行うのか?

ブランド自体については理解していても、どのようにブランディングを進めればよいかわからないと頭を悩ませている経営者も少なくないでしょう。

ブランディングには特別なマーケティングが必要と思われがちですが、実際には今まで行っていたマーケティング活動の根底部分に、「ブランディング」の概念を置くことが重要なのです。マーケティングを行う際、自社や自社商品の価値・特徴を明確にし、その価値がきちんと顧客に伝わるように意識して広告や販促などの施策を行えば、それがブランディングの一環となります。

ただし、ここで重要なのは、自社がブランドについてどう思っているかではなく、「消費者がどのようにとらえているか」という点です。消費者にとってプラスになるメリットなどを考えて商品を開発し、マーケティングを行うことが重要なポイントとなります。

Webにおけるマーケティングの場合、広告はもちろん、ブログやSNSなどの施策を通じてブランディングを行うこととなるでしょう。このような場合でもブランディングをしっかりと意識してブログやSNSを運営していくことで、効果を上げやすくなります。

ブランディングとマーケティングの違い

ブランディングは他社ブランドとの「差別化」が目的ですが、マーケティングは「売れる商品を流通させ販売し、消費者に届ける」工程を指し、いわば市場の開拓が目的と言えるでしょう。

マーケティングを成功させるためには、市場のリサーチを行い消費者の嗜好(しこう)や動向をつかんだうえで商品の方向性やコンセプトを決定、販売し消費者の手に届けるといった一連の流れが確立している必要があります。

ブランディングとの違いですが、ブランディングでは消費者に対して自社のサービスや商品について「理解してもらう」ことが目的となっていますが、マーケティングは「この商品が欲しいと思ってもらう」ことが目的であり、両者には大きな違いがあるのです。

ブランディングの成功はマーケティングの成功にもつながる

ブランディングとマーケティングでは、目的は異なるものの、最終的にマーケティングを成功させるためには、ブランディングは必要不可欠です。一貫性のある自社ブランドが育っていくことで消費者に商品やサービスが広く認知され、長期的なマーケティングをしやすくなると言えるでしょう。つまり、ブランディングはマーケティングの一部なのです。

自社や自社商品が、消費者のライフスタイルに必要とされる「価値」を確立できるようブランディングを行い、その施策が成功すれば、マーケティングの成功にもつながるのです。

まとめ

ブランディングは自社や自社商品の特徴・魅力を消費者に伝え、他社と差別化を図るために必要不可欠なものです。そして、マーケティングの一環であるブランディングの成功は、マーケティングの成功にも直結すると言えるでしょう。

今回解説したように、ブランディングとマーケティングの違いや必要性を理解し、どちらかを重視するのではなく、両方の施策を偏りなく行うことで、他者との差別化や市場の開拓、売り上げ増につなげられるでしょう。

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