韓国発!注目のファッション通販DHOLICの実力

韓国発!注目のファッション通販DHOLICの実力

若い女性の間での韓国ファッションへの注目度の高まりに呼応する形で大幅な売り上げアップに成功したアパレル系通販サイトのひとつが韓国発の「DHOLIC(ディーホリック)」です。実店舗の運営も行っていながら、売り上げの約90%をネット通販で上げている同社は、商品そのものの販売方法だけでなく、最新のトレンドに合ったウェブデザインと、時代に沿った事業展開で業績を上げることに成功したといえます。

ここでは、そんなDHOLICのウェブデザインを含めた実力について考えてみます。

モバイルファーストを取り入れたサイトデザイン

まずはDHOLICのウェブデザインについて考えてみます。そもそも、2018年現在スマホの普及率は79.4%にまで到達しており、中にはパソコンを持っていないという人やスマホでしかインターネットに接続しないという人も多いようです。そして、このようなスマホの急速な普及はイーコマース全体に大きな変化をもたらしており、今や「モバイルファースト」はイーコマースにおいてCV(コンバージョン)を上げるための必須思想となりつつあります。

DHOLICのサイトの中でも特に商品ページで際立っているのが、大きな写真と要点だけがまとめられた短いテキストが縦長のページに集約された「シングルページ」という構造です。この構造のメリットとしては、ひとつのページ内で商品情報から送料、発送方法などの情報を確認できるため、複数のページを何度も行き来する必要がないという点が挙げられます。

このことから、商品やその購入に関する情報が見やすいようにまとめられたシングルページはスマホの小さな画面での閲覧にも適しており、まさにモバイルファーストなウェブデザインといえます。

時系列表示で購買意欲を刺激

インターネット上ではスマホが普及したことによりさまざまな分野で最新の情報がチェックしやすくなりました。このことから、現在ではネット上の情報を時系列で表示し、なおかつ閲覧しやすい状態にすることが重要視されるようになりました。

DHOLICのサイトの基礎となっているシングルページは、このような情報を時系列で表示することにも長けており、例えば、同サイトのトップページであれば、ページの上部に人気のトップスやボトムスを配置し、さらにそこから下を閲覧するに従って水着などの季節ものやアクセサリー類などを表示させるといった「ストーリーの構築」が可能となります。

閲覧する側にとってこのような情報の表示順には大きな意味はないようにも思えますが、商品を販売する側にとっては顧客の購買意欲を刺激するようなストーリーをひとつのページ内で完結させられるため、サイトの閲覧者に知ってほしい情報を効率的に伝えられるというメリットがあります。

リピーター育成の秘訣は高品質・低価格・トレンド研究

続けて、DHOLICの特徴や事業展開について考えてみましょう。そもそも、DHOLICは2007年に日本で創業、翌年にはECサイトを立ち上げ、その後、トレンドに敏感な日本の主要都市圏に5つの実店舗を出店しました。韓国のアパレル商品を仕入れて販売していますが、韓国だけでなく日本のトレンドにも対応したラインナップのため、感度の高いファッショニスタたちや若者をはじめ、多くの日本人が注目しています。

トレンドを取り入れるだけでなく、高品質・低価格の商品を多数取り扱っている点も特徴のひとつといえます。季節・トレンドに合った商品でも1,000円台と安価のものもあるため、好みに合ったものはもちろん、これまで着る機会のなかったジャンルでも気軽に購入できるのです。

DHOLICのサイト上では、ほぼ毎日新商品を入荷しています。更新頻度の高さだけをとってみても毎日訪れる価値のあるサイトになりえますが、さらに新着の商品は24時間限定で10%OFFの割引が行われます。

これらの要素が、何度もサイトを訪れ商品を購入する「リピーター」の育成にもつながっています。

リスク管理とユーザビリティの向上に注力

上述の通り、DHOLICのサイトでは毎日新着の商品を取り扱います。しかし、多くの商品を取り扱うと、幅広いユーザーの希望にこたえられる反面、運営企業としては在庫を抱えてしまうリスクが発生します。そこで、DHOLICでは注文数だけ買い付けることで在庫リスク0を実現したのです。このため商品を売り切るためのセールを行うこともなく、安定して多数の商品を提供し続けることができます。

加えて、注文数の多い人気商品に絞って店舗へ展開することで、実店舗での在庫リスクも減らすことができるうえ、実際に商品を見てから購入を検討したいユーザーに「人気商品を体験する機会」をつくることができるのです。

ネット通販の売り上げが約90%の同社にとって、ユーザビリティの向上は必須です。そもそも、海外商品の通販購入を躊躇する理由のひとつとして、不良品が届いたときなどの返品に対処しづらいことが挙げられます。その点にもDHOLICは柔軟に対応し、商品が届く際、商品と一緒に「返品手続き書」「着払い伝票」が同封されている(購入者都合の返品は送料自己負担)ため、返品の対応がとても簡単で、ユーザーは安心して商品を購入できます。さらに、支払い方法はクレジットカードをはじめ銀行振り込みや代金引換など多彩なうえ、送料は1回の注文で全国一律540円、商品代金合計8,000円以上の場合は無料となっている点も、ユーザーの「購入しやすさ」につながっています。

まとめ

今回は、アパレル通販サイトとして大きな躍進を遂げているDHOLICの実力について、ウェブサイトのつくりと特徴・事業展開それぞれの面からご紹介しました。スマホを利用したサイトの閲覧で欠かせないスクロールに対応したシングルページは、今後スマホの普及率がさらに高くなることでその重要度がさらに高くなるでしょう。また、海外サイトならではの「危険なのでは?」というユーザーの意識をユーザビリティの向上で払しょくする方法や、在庫管理、リピーターの育成などは、アパレルサイトを運営するうえで大いに参考になるテクニックです。

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